公募研究
本研究では、集合状態で高導電性を発現する分子性導体を用い、導電性ナノコイルの開発を行った。更に、得られたナノコイルの磁気・電気物性を解明し、新規機能性材料の開拓を目指した。申請者がこれまでに研究してきた高導電性分子の設計および基板界面制御法を発展させることで、自己活性化分子性電磁ナノコイルを作成した。1新規有機導電性分子の合成と分子性電磁ナノコイルの構築高導電性を示すことで知られている様々な有機導電性分子の両末端に、「かさ高いキラル分子」と「水素結合部位」を付与することで新規分子性導体を合成した。これらの誘導体を自己組織化させることで1次元組織体を作製し、更に螺旋構造へと変形させることでナノコイルを開発した。更に、アクセプター分子と混合することで伝導性を付与し、構造変化に伴う電気・磁気特性の相関を明らかにした。2分子性電磁ナノコイルの電気・磁気物性評価具体的なナノシステムの作製を視野に入れた時、ナノコイル電気・磁気物性を明らかにする必要がある。1で作製したナノコイルの電気伝導度をバルク状態で評価した。この時の伝導度は半導体的な挙動であった。また、ナノコイルは電磁コイルとして機能することから、オシロスコープを用いて誘導起電力を評価した。本研究で提案した「集合状態で導電性を示す発動分子を用いた分子性電磁ナノコイル」は、外場の影響により機械的な動きを介し、自らエネルギーを放出できる外部刺激反応型発動システムであり、分子エレクトロニクス分野をリードする新規ナノデバイスになる。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2021 2020 その他
すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)
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