公募研究
本研究では、シンギュラリティ生物学に資する生物現象として甲殻類ミジンコにおける環境依存的なオス決定をモデルとした。私たちは、以前にミジンコの嚢胚におけるオーガナイザー様の領域でオス決定転写因子Dsx1が働き、これがシンギュラリティ現象となってオス化が誘導されることを発見していた。転写因子Vrilleはシンギュラリティ現象よりも前に発現してDsx1を活性化することからVrille発現細胞はシンギュラリティ細胞と予想されることも見出していた。そこで本年度は、VrilleのORFの3´側に緑色蛍光タンパク質mClover3のCDSを CRISPR-Cas9 を用いてノックインし、 Vrille の発現パターンを緑色蛍光のライブイメージングにより時空間的に解析した。その結果、初期胚にオスにおいてのみ起こる Vrille mRNAの極僅かな発現と一致して、嚢胚時期にmClover3ポジティブの少数の細胞を発見した。一方で、HSP70プロモーターの下流にGFPを有する熱ショックレポーター遺伝子をノックインした遺伝子組換えオオミジンコを用いて、IR-LEGO 法により胚に赤外線レーザーを照射することで細胞レベルで熱ショックにより遺伝子発現を誘導する方法を開発することにも成功した。以上の成果から、今後 Vrille 発現に摂動を与え、Vrille 発現細胞がシンギュラリティ細胞として機能しているか明らかにするための基盤が整った。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (15件) (うち国際共著 3件、 査読あり 15件、 オープンアクセス 7件) 学会発表 (18件) (うち国際学会 2件)
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