T細胞は抗原を認識すると様々な免疫細胞を活性化して抗原に対する特異的な免疫反応を引き起こすが、T細胞の抗原受容体であるT細胞受容体は遺伝子再構成により大きな多様性をもち,個々の抗原に特異的なT細胞の数は数十から数千個と大変少ないと考えられる。この少ないT細胞が抗原特異的な免疫反応の制御において中心的な役割を演ずる。
本研究は、稀なT細胞が抗原を認識して活性化したのち、一時的に活性化シンギュラリティ細胞としてはたらくことで、T細胞分化全体を牽引する現象の可能性について検討した。
このために、胸腺の分化過程のT細胞を用いてTocky(Timer of cell kinetics and activity)技術をつかい、活性化シンギュラリティ細胞を同定し、フローサイトメトリー、顕微鏡解析、遺伝子発現解析により分析した。
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