研究領域 | シンギュラリティ生物学 |
研究課題/領域番号 |
19H05428
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
太田 悦朗 北里大学, 医療衛生学部, 講師 (60508042)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 疾患iPS細胞 / LRRK2 / パーキンソン病 / モザイシズム / Tau |
研究実績の概要 |
運動異常や自律神経障害を来すパーキンソン病(PD)では、患者のうち30%程度において認知症の症状がみられる。この認知症併発のPD 患者の病理では、アミロイド沈着による老人斑やリン酸化Tau による神経原線維変化が散見される。遺伝性PD原因遺伝子のひとつであるLeucine-Rich Repeat Kinase 2(LRRK2)の遺伝子変異では、認知症を併発するPD 患者が多い傾向にあり、認知症の発症にも何らかの影響を及ぼすことが考えられる。本研究では、in vitro解析を軸とし、遺伝性PD患者iPS細胞由来神経細胞における変異LRRK2遺伝子のモザイシズム発現について検証した。その結果、変異LRRK2遺伝子の発現が、一部の神経細胞集団においてモザイシズムを呈している可能性を見出した。また、I2020T LRRK2-iPSC由来神経細胞では、ゲノム編集で遺伝子修復したiPSC由来神経細胞に比べ、オリゴマーTauの増加の可能性を見出した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、研究計画Ⅰ(疾患特異的iPSC由来神経細胞におけるオリゴマーTau伝播の解析)、Ⅱ(モザイシズム発現解析)、Ⅲ(オリゴマーTau細胞間伝播と炎症惹起に関する解析)のうち、当初の予定通りに実験ⅠおよびⅡの解析を進めることができた為。
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今後の研究の推進方策 |
今後、前年度の研究を継続しながら、研究計画ⅢのiPSC由来神経前駆細胞移植マウスの病態解析から、変異LRRK2遺伝子が引き起こすシンギュラリティ現象に焦点を当てた研究を展開する。
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