公募研究
<研究会の開催>本研究は海外の研究者との共同研究で進めており、令和3年度は本プロジェクトの参加研究員が集合して行う研究会を予定していた。しかし新型コロナ感染がおさまらず、対面での開催は見送った。リモートでの開催は時差が大きく全員が集まって集中した議論ができないという声があり、今後新型コロナの感染状況を見つつ、近い将来対面で日本で開催することにした。<多色・測光観測>令和3年度のすばる望遠鏡での観測は、新型コロナの影響で観測所のメンテナンススケジュールが変更になり、我々の希望する時期に観測できる見通しが立たず、観測時間は割り当てられなかった。そこで、2020年度にすばる望遠鏡で取得した画像について解析を進め、木星トロヤ群小惑星とヒルダ群小惑星に関する2つの論文を出版した(https://iopscience.iop.org/article/10.3847/PSJ/ac13a4, https://iopscience.iop.org/article/10.3847/1538-4365/ac50ac)。また、以前すばる望遠鏡で取得し、本研究申請の基礎となったデータの解析が終了し、メインベルト小惑星に関する論文を出版した(https://doi.org/10.3847/1538-3881/ac2c6e)。さらに、すばる望遠鏡の画像データからより暗い太陽系小天体を検出する作業を実施中で、より小さい太陽系小天体の検出・発見を目指している。令和2年度にかわべ天文公園の望遠鏡で観測した韓国の惑星探査ターゲット天体の多色測光の結果を論文にまとめた(https://doi.org/10.1093/pasj/psab072)。<掩蔽観測>10月に観測を予定していた惑星探査ターゲット小惑星による恒星食の観測は成功した。現在論文執筆中である。
2: おおむね順調に進展している
新型コロナの影響で研究会の開催が見込めなくなったので、代わりにすばる望遠鏡の画像データからより暗い太陽系小天体を検出するプログラムの構築と、そのために必要な機材を購入し、より小さい太陽系小天体の検出・発見を目指している。コンピューター等の調達に時間がかかったので、この作業は今年度中に完了しなかったが、検出方法は構築できたので、概ね順調と言える。
すばる望遠鏡のアーカイブ画像データからより暗い太陽系小天体を検出し、小さい太陽系外縁天体のサイズ分布を調べることを今後の第一目標にする。アーカイブを利用するだけでなく、新しい画像データの取得にも努め、さらに多くの太陽系小天体サンプルを得る努力を続ける。また、掩蔽観測で、太陽系小天体の衛星の有無や形状などを調べる観測も続けていく。これらのデータは小天体の衝突進化を探るための基礎データになる。
すべて 2022 2021 その他
すべて 国際共同研究 (6件) 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 3件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (15件) (うち国際学会 5件) 備考 (1件)
The Astrophysical Journal Supplement Series
巻: 259 ページ: 7~7
10.3847/1538-4365/ac50ac
The Astronomical Journal
巻: 162 ページ: 280~280
10.3847/1538-3881/ac2c6e
The Planetary Science Journal
巻: 2 ページ: 191~191
10.3847/PSJ/ac13a4
Publications of the Astronomical Society of Japan
巻: 73 ページ: L13~L17
10.1093/pasj/psab072
https://fossil-survey.org