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2020 年度 実績報告書

ゆらぐ過渡的ネットワークの構造とレオロジーの解析

公募研究

研究領域次世代物質探索のための離散幾何学
研究課題/領域番号 20H04636
研究機関名古屋大学

研究代表者

畝山 多加志  名古屋大学, 工学研究科, 准教授 (10524720)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2021-03-31
キーワードネットワーク / レオロジー / ダイナミクス / クラスタ
研究実績の概要

からみあった高分子や会合性高分子を過渡的に組み換え可能なある種のネットワークとして記述する過渡結合 (TB) モデルについて、その動的構造とダイナミクス・レオロジーの関係を詳細に解析した。TB モデルでは対象とする系は粒子および粒子間の結合で表現される。構造を可視化し解析を容易にすることを目的とし、本研究では 1 次元 TB モデルを採用した。このモデルでは時空構造が空間 1 次元、時間 1 次元の 2 次元構造として表現でき、結合の動的な変化の様子等を 2 次元画像として直接観察できる。
まず、1 次元 TB シミュレーションを系統的に行うことで、TB モデルのパラメータと動的構造の関係を調べた。TB モデルは適当な無次元化を行えば結合の特徴的寿命 (結合寿命) と粒子あたりの結合の数 (結合密度) の 2 つのパラメータのみで特徴付けられる。このうち、結合寿命は系全体の緩和挙動には影響するものの、粒子の平均的な拡散挙動にはあまり影響を与えないことを示した。これは結合寿命を変化させても静的なネットワークの構造自体には影響を与えないためであると考えられる。一方、結合密度はさまざまな動的な物理量に大きな影響を与え、緩和挙動だけでなく拡散挙動も結合密度に応じて大きく変化した。これは結合密度が変わることで静的なネットワーク構造が変化することが各種動的物理量に強く影響しているためと考えられる。
そこで、系を構成する粒子を過渡結合で結合されたクラスタ構造に分解し、クラスタ構造についての解析を行った。あるクラスタを構成する粒子数をクラスタサイズとみなすと、クラスタサイズは幾何分布にしたがって分布していること、平均クラスタサイズはパーコレーションモデルに近似的にしたがうことがわかった。さらに、各種動的物理量は平均クラスタサイズとよく相関していることがわかった。

現在までの達成度 (段落)

令和2年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和2年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Plateau Moduli of Several Single-Chain Slip-Link and Slip-Spring Models2021

    • 著者名/発表者名
      Uneyama Takashi、Masubuchi Yuichi
    • 雑誌名

      Macromolecules

      巻: 54 ページ: 1338~1353

    • DOI

      10.1021/acs.macromol.0c01790

    • 査読あり
  • [学会発表] 1 次元過渡結合系の示すクラスタ構造とダイナミクスの関係2020

    • 著者名/発表者名
      畝山多加志
    • 学会等名
      MRMフォーラム2020
  • [学会発表] 過渡結合MDPD法への固体壁の導入2020

    • 著者名/発表者名
      広井紀彦,土肥侑也,畝山多加志,増渕雄一
    • 学会等名
      第68回レオロジー討論会
  • [学会発表] 過渡結合MDPD法によるポリスチレンメルトのキャピラリーシニングのシミュレーション2020

    • 著者名/発表者名
      広井紀彦,畝山多加志,増渕雄一
    • 学会等名
      日本レオロジー学会第47年会

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公開日: 2021-12-27  

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