研究領域 | 分子夾雑の生命化学 |
研究課題/領域番号 |
20H04692
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
神谷 厚輝 群馬大学, 大学院理工学府, 助教 (70612315)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 膜タンパク質 / 人工細胞膜 / ナノポアタンパク質 / パッチクランプ法 |
研究実績の概要 |
今年度は、βバレルから形成されるナノポアタンパク質のポアを通過するイオンや小分子(蛍光分子)をナノポアタンパク質を改変させることで制御を行った。網羅的に改変をおこないナノポアタンパク質のポアを通過するイオンや小分子の差異を検討した。下記の実験方法を用い、イオンと小分子の透過を観察した。ナノポア内を通過イオンは、人工細胞膜のパッチクランプで行った。蛍光分子については、ナノサイズのリポソームに高濃度の蛍光色素を封入する。その状態では、蛍光色素は消光している。ナノポアがリポソームに再構成され、ナノポアを介して蛍光分子がリポソームの中から外へ輸送されると蛍光色素が蛍光を発する。ある部位を欠損させるとナノポアタンパク質のイオンの通過が減少した。これは、ポア内のアミノ酸残基の電荷が影響することが示唆された。また、改変体においても蛍光分子の透過が観察された。また、改変体のナノポアタンパク質が構造を保持しているかを、円二色性分散計を用いて確認をしている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
βバレルから構成されるナノポアタンパク質を改変することで、ナノポアタンパク質内を通過するイオンや蛍光分子の量が変化した。ポアの構造に影響を及ぼす部位についての理解が進んだ。この結果を国内外の学会で発表した。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、ナノポアタンパク質の改変により、精密なポアサイズの制御を試みる。様々なサイズのナノポアタンパク質が作製出来れば、分子夾雑下における目的の生体分子検出を試みる。
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