OmpGのβストランド数を変えることで、OmpGナノポア直径を変えられるかを検討した。βストランドを4本削除した変異体、βストランドを4本挿入した変異体等を作製し、その変異体を大腸菌で発現させ精製した。そして、これらのOmpGのイオン透過を人工細胞膜パッチクランプにて検討した。また、様々な分子量のポリエチレングリコールでOmpGナノポア内を閉塞することで、イオン透過の阻害からOmpGナノポア直径を検討した。βストランド数を減らすとナノポア直径が小さくなり、βストランド数を増やすとナノポア直径が大きくなることが分かった。例えば、かさ高い側鎖をもったアミノ基が増加すると、βストランド数を増やしてもイオン透過が減少した。したがって、βストランド数の本数だけではなく、ポア表面のアミノ酸の側鎖の状態も大きくイオン透過に関与することが分かった。また、リポソーム膜内にOmpLAを再構成し、OmpLAのホスホリパーゼ活性を活用すると、膜の曲率が変化してリポソームが分裂する様子が観察された。
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