公募研究
蛍光基ピレンを持つ化合物は、マトリックスを使用しないラベル支援レーザー脱離イオン化質量分析法(LA-LDI MS)で選択的に励起・検出される。これまでに、従来よりも約10万倍高感度でLA-LDI MS検出できるN,N-ジメチルアミノピレン(dmpy)基を開発した。また、ゲルろ過樹脂を用いてdmpyラベル化タンパク質およびペプチドを簡便に脱塩・精製して選択的にMSで検出できる。本研究では、リガンド解離型および光親和性dmpyプローブを合成し、細胞夾雑系における標的分子の効率的なラベル化と細胞内局在解析を行うことを目指した。リガンド解離型dmpyプローブの設計と合成では、リガンドにベンゼンスルホン酸やビオチン、検出基にdmpy基を持つリガンド解離型プローブを合成した。反応性官能基にNASAを用いることで、標的タンパク質である炭酸脱水素酵素やアビジンの位置選択的なラベル化に成功した。さらに細胞内夾雑系のモデル反応として、培養細胞の抽出タンパク質を含む系で上記のプローブとの反応を検討し、アビジンの選択的なラベル化に成功した。さらに、リガンド、反応性官能基(ジアジリン)、検出基(dmpyや(歪み)アルキン)を持つ光親和性プローブを合成し、精製タンパク質や細胞抽出液と混合してUV365の照射により共有結合を形成させる条件を検討した。365 nm 単波長レーザーを用いた紫外線装置により、10秒以下という短時間で水溶液やメタノール溶液中にてジアジリン基が効率的に反応し、溶媒との共有結合が反応することを見出した。今後は培養細胞におけるラベル化を検討し、dmpyラベル化産物の簡便な精製法を確立する。また分子モデリング計算(MOE)による結合様式の解析や、生細胞蛍光イメージングによるdmpy基の局在解析を行う予定である。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 2件、 査読あり 4件) 学会発表 (9件) (うち国際学会 6件、 招待講演 4件) 備考 (1件)
Chemistry Letters
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10.1039/D1CC04259A
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