研究領域 | 分子夾雑の生命化学 |
研究課題/領域番号 |
20H04710
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
大塚 洋一 大阪大学, 理学研究科, 助教 (70756460)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 質量分析イメージング / 多次元化学分布情報 / 大気圧サンプリングイオン化法 / 誘導体化反応 / 生体組織計測 / 細胞計測 |
研究実績の概要 |
研究目的:分子夾雑情報を1細胞レベルで網羅的に計測し、細胞や組織の状態を精密に表現する特徴量を獲得する技術は、生命化学分野の基礎理解と病気の究明・予知・予防の高度化のために極めて重要である。本研究では研究代表者がこれまでに開発を進めてきた大気圧サンプリングイオン化法(t-SPESI)を活用し、疾病状態にある生体組織や疾病に由来する細胞を対象として、網羅的な化学情報を1細胞レベルで定量的に計測し、化学種情報と成分分布情報を融合した特徴量抽出法を開発し、分子夾雑環境下における代謝経路の局所的な変調などを捉えることを目的とする。 研究実績概要:(1)先の公募研究において開発を進めてきたフィードバック制御と連続走査方式の同時制御技術を確立し、高空間分解能のイオンイメージングと試料形状イメージングの同時計測を実現し、論文発表を行った。本技術を用いて疾患組織に内在する多彩な脂質成分とその分布形態を可視化した。(2)t-SPESIの計測システムをタンデム型質量分析器と接続することで、HeLa細胞の1細胞質量分析イメージングを実現した。これまでの計測データと比較して、確度の高い脂質成分の推定が可能となり、次年度の生細胞の高感度計測に向けての検証が進展した。(3)t-SPESIを用いたペプチドの迅速誘導体化反応法を検証し、微小量の複数のペプチドの誘導体化とイオン化を短時間で実施出来ることを見いだした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究課題で目指す、疾患に関連する生体組織や細胞を高空間分解能で捉える計測システムが実現した。実検体からの多次元化学分布情報に対して多変量解析を行うことで、特徴量を捉え、効率的にイオン種を選択して検証することができるようになった。次年度に計画している生細胞のライブセルダイレクトイメージング質量分析の実証に向けて、共同研究者との議論を行い、用いる細胞の候補を選定した。
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今後の研究の推進方策 |
今年度に構築した計測システムを用いて、疾患組織の計測を継続する。疾患状態と結びつく多次元化学分布情報の獲得を目指す。またライブセルダイレクトイメージング質量分析に必要な要素技術の開発を進め、疾患状態の生細胞に内在する多次元化学分布情報を捉えることを目指す。医学系、生物系、化学系の共同研究者との密な連携を図る。
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