公募研究
本研究課題は、初期宇宙における高密度星団の形成について理論的に明らかにするというものである。当該年度においては、星団形成において鍵となる大質量星からの紫外線輻射フィードバックを考慮した大規模輻射流体シミュレーションを実行した。結果として、銀河系の典型的なサイズや密度の分子雲では、輻射フィードバックにより、ガスが吹き飛ばされて星形成率が10パーセント以下となる事が分かった。その場合、ガスがなくなった後、星同士が重力的に束縛することが出来ず、広がっていく。一方で、ガスの表面密度が100太陽質量/パーセク^2を超えるような高密度分子雲では、分子雲自身の重力により、輻射フィードバックに打ち勝って分子雲中心へのガスのインフローが続く事が分かった。結果として、大半のガスが星団形成に使われ、重力的に束縛された高密度星団が形成されることが分かった。これに加え、重元素量との依存性についても調べ、高密度かつ重元素が多い大質量分子雲が高密度星団の形成に繋がることを示した。このような高密度星団はその後、重力多体相互作用により、中心に大質量星連星を形成する可能性があるため、重力波イベントの起源天体を考える上で非常に重要である。これに加えて、宇宙論的な流体シミュレーションにより、初代銀河における星形成についても調べた。結果として、ミニハローで形成される種族III星の初期質量関数によって、その後に形成される初代銀河内のガスの状態、星形成は大きく影響を受ける事が分かった。今後はこれらを統合して、高密度星団形成について統計的に明らかにしていく。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (6件) (うち国際共著 3件、 査読あり 6件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 2件、 招待講演 4件)
Journal of Quantitative Spectroscopy and Radiative Transfer
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