公募研究
重力波を用いたダークマター小スケール分布測定に向けて多くの研究成果がえられた。波動光学重力レンズ効果の計算においては重力レンズポテンシャルを積分する必要があるが、その重力レンズポテンシャルを現実的なモデルとしてよく採用される楕円NFW分布と楕円Hernquist分布で大幅に高速化する新手法を開発した。これにより波動光学効果を現実的な質量モデルで計算する可能性が拓かれた。また非常に質量の軽いファジーダークマターモデルにおいてその小スケールパワースペクトルを解析的に計算する解析モデルを考案した。さらに、重力レンズにより増光された重力波が小スケール密度ゆらぎによって振幅と位相にどのような摂動を受けるかの一般的な式を導出することに成功した。この式をもちいて、ダークマターサブハローやファジーダークマター、原始ブラックホールなどのモデルで期待される振幅と位相の摂動の大きさを議論し、増光率のおおきな像の場合に波動光学効果が現実的に検出可能であることを指摘した。これらの研究成果により、重力波を用いて非常に小さなスケールの密度ゆらぎを検出するための基本的な理論的枠組みがほぼととのったことになり、今後の研究の展開に期待がもたれる。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (1件)
The Astrophysical Journal
巻: 925 ページ: 61~61
10.3847/1538-4357/ac39a2
Publications of the Astronomical Society of the Pacific
巻: 133 ページ: 074504~074504
10.1088/1538-3873/ac12db