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2020 年度 実績報告書

機械学習を用いた信号検出とパラメータ推定

公募研究

研究領域重力波物理学・天文学:創世記
研究課題/領域番号 20H04731
研究機関長岡技術科学大学

研究代表者

中平 勝子  長岡技術科学大学, 工学研究科, 准教授 (80339621)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2022-03-31
キーワード機械学習 / 信号候補 / パラメータ推定
研究実績の概要

本研究は,データを説明する特徴量が類似したもの毎に分類する機械学習やそれを発展させた深層学習を,物理現象における観測波形のパラメータ推定に適用し,波形を特徴付けるパラメータの抽出に適した特徴量空間抽出方法ー信号変換方式の組み合わせを見出すことにより,クラス分類に対応したパラメータ推定手法の開発を行う.本研究を行うにあたり,1)観測波形の信号変換方式,および前処理とパラメータ推定の関係,2)深層学習モデルを用いたパラメータ推定手法の開発および評価である.
1)の観測波形の信号変換方式については,短時間フーリエ変換とウェーブレット変換の2種について試行したが,両者について大きな違いは見られなかった.また,前処理として,ノイズ処理とレインボーグラム/スペクトログラム入力が考えられる.ノイズ処理については,特に突発性ノイズがパラメータ推定に困難さを与えるが,教師なし学習に基づいた突発性雑音の分類システムの提案を行った.Gravity Spyで用いられた突発性雑音データへの適用を行い,一定の成果を得た.前処理については,位相情報まで含めたレインボーグラムで処理する方がスペクトログラムでの処理と比べ,パラメータ推定には若干優位な結果があった.
2)については,一連の結果を踏まえ,CNN の中でも画像処理で標準的に用いられるVGG16をベースとし,charp型信号を,開始周波数・終了周波数・開始時刻・信号継続時間・線形部の傾き・SNRで近似し,これらをパラメータとした疑似データを30000個ほど用意し,CNNの学習に用いた.その結果得られたモデルに対して,前処理(ノイズ処理,信号変換)を行った観測データを実際に用いてパラメータ推定を行うための一連のフローを開発した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2020年度は,COVID-19の影響により海外渡航ができなかったうえに計算用のハードウェアの性能限界の壁があり,新たにハードウェア調達を行う必要があったことから,この点については若干の遅れはあった.しかし,それ以上に観測波形の信号変換方式の評価・有益な前処理についての評価・パラメータ推定手法第一案の開発が行え,学会発表6件を行えたことから,概ね順調な進捗である.

今後の研究の推進方策

次年度の進捗へ向け,ハードウェアの調達を行うとともに,開発したパラメータ推定手法を実データへ適用し,その性能評価を行う.また,脳波など似た時系列データを用いて,重力波以外のデータに対してもパラメータ推定等適用可能かを検討する.

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2022 2021

すべて 学会発表 (6件) (うち国際学会 2件)

  • [学会発表] 重力波望遠鏡に現れる突発性雑音の教師なし分類2022

    • 著者名/発表者名
      坂井佑輔,伊藤洋介,苔山圭以子,中平勝子,押野翔一,鹿野豊,高橋弘毅,内山隆,鷲見貴生,山本尚弘,横澤孝章
    • 学会等名
      情報処理学会第84回全国大会
  • [学会発表] 深層学習を用いた未知の重力波信号候補検出手法の構築2022

    • 著者名/発表者名
      南雲彩花,中平勝子,田中貴浩
    • 学会等名
      情報処理学会第84回全国大会
  • [学会発表] 教師なし学習に基づいた突発性雑音分類システムの開発 -大型低温重力波望遠鏡KAGRAデータへの適用に向けて-2021

    • 著者名/発表者名
      上島元,苔山圭以子,小坂井千紘,中平勝子,押野翔一,鹿野豊,高橋弘毅,内山隆,鷲見貴生,山本尚弘,横澤孝章
    • 学会等名
      情報処理学会第83回全国大会
  • [学会発表] 機械学習を用いたノイズに埋もれた信号波候補の検出2021

    • 著者名/発表者名
      南雲彩花,中平勝子,田中貴浩
    • 学会等名
      第20回情報科学技術フォーラム
  • [学会発表] Investigation of Frequency Evolution of Gravitational Waves from Core Collapse Supernova by Hilbert-Huang Transform2021

    • 著者名/発表者名
      L. Malith M. De Silva, Toru Sasaki, Katsuko T. Nakahira, Hirotaka Takahashi
    • 学会等名
      the 8th International Conference of Sabaragamuwa University of Sri Lanka
    • 国際学会
  • [学会発表] Unsupervised Deep Learning for Classification of Transient Noise2021

    • 著者名/発表者名
      Yusuke Sakai, Yosuke Itoh, Piljong Jung, Chihiro Kozakai, Katsuko T. Nakahira, Shoichi Oshino, Yutaka Shikano, Hirotaka Takahashi, Takashi Uchiyama, Gen Ueshima, Tatsuki Washimi, Takahiro Yamamoto, Takaaki Yokozawa
    • 学会等名
      2021 Gravitational Wave Physics and Astronomy Workshop
    • 国際学会

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公開日: 2022-12-28  

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