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2021 年度 実績報告書

連星中性子星合体に伴うガンマ線放射の理論研究

公募研究

研究領域重力波物理学・天文学:創世記
研究課題/領域番号 20H04751
研究機関国立研究開発法人理化学研究所

研究代表者

伊藤 裕貴  国立研究開発法人理化学研究所, 開拓研究本部, 研究員 (30434278)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2022-03-31
キーワードガンマ線バースト / 輻射輸送 / ショックブレイクアウト
研究実績の概要

連星中性子連星合体に伴い放出される物質(エジェクタ)の内部は、中性子過剰であるためr過程が進行し重元素で満たされている。そのエジェクタに、後に駆動される相対論的ジェットが衝突し突き抜けることによって、連星中性子星合体における最初期の電磁波放射が発生すると考えられている。今年度は、(1)「相対論的ジェット」、および(2)「エジェクタ内の衝撃波」に関する研究を行った。

(1)に関しては、大局的な相対論的流体シミュレーションと輻射輸送計算を行うことによって、ジェットとエジェクタの相互作用のダイナミクスを明らかにするとともに、発生する電磁波放射の性質を精査した。その結果、ジェットは降着トーラスから放出されるエジェクタ物質との衝突によって細く絞られるとともに、そのダイナミクスに短時間変動性が生じることが確認された。それに伴い電磁波放射も強い時間変動を示し、観測されているガンマ線バーストの時間変動の一因となっている可能性が示唆された。さらに、通常のショートガンマ線バーストが示すスペクトルと明るさの相関関係も、本計算によって自然に再現された。

(2)に関しては、r過程元素に満たされているエジェクタ内部に発生する衝撃波の、局所的な第一原理計算を行った。その結果、衝撃波が光速の約50%以下の伝搬速度を持っている場合、エジェクタ内で発生する衝撃波の温度は、通常の電子・陽子プラズマ内で発生す衝撃波に比べて1桁ほど低いことが明らかになった。伝搬速度が光速度の約60%を超えると電子・陽電子生成の効果が重要になり、電子・陽子プラズマの場合と同様に、速度によらず温度が100keV程度になることが明らかになった。

現在までの達成度 (段落)

令和3年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和3年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2022 2021 その他

すべて 国際共同研究 (3件) 雑誌論文 (2件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 2件、 招待講演 2件)

  • [国際共同研究] 重イオン研究所(ドイツ)

    • 国名
      ドイツ
    • 外国機関名
      重イオン研究所
  • [国際共同研究] Russian Academy of Sciences(ロシア連邦)

    • 国名
      ロシア連邦
    • 外国機関名
      Russian Academy of Sciences
  • [国際共同研究] Tel Aviv University(イスラエル)

    • 国名
      イスラエル
    • 外国機関名
      Tel Aviv University
  • [雑誌論文] A Semianalytic Afterglow with Thermal Electrons and Synchrotron Self-Compton Emission2022

    • 著者名/発表者名
      Warren Donald C.、Dainotti Maria、Barkov Maxim V.、Ahlgren Bjorn、Ito Hirotaka、Nagataki Shigehiro
    • 雑誌名

      The Astrophysical Journal

      巻: 924 ページ: 40~40

    • DOI

      10.3847/1538-4357/ac2f43

  • [雑誌論文] A Global Numerical Model of the Prompt Emission in Short Gamma-ray Bursts2021

    • 著者名/発表者名
      Ito Hirotaka、Just Oliver、Takei Yuki、Nagataki Shigehiro
    • 雑誌名

      The Astrophysical Journal

      巻: 918 ページ: 59~59

    • DOI

      10.3847/1538-4357/ac0cf9

  • [学会発表] Numerical Simulations of Photospheric Emission in GRBs2021

    • 著者名/発表者名
      伊藤裕貴
    • 学会等名
      The Sixteenth Marcel Grossmann Meeting
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] The photospheric origin of Ep-Lp and Ep-Eiso correlations in GRBs2021

    • 著者名/発表者名
      伊藤裕貴
    • 学会等名
      The Sixteenth Marcel Grossmann Meeting
    • 国際学会 / 招待講演

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公開日: 2022-12-28  

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