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2020 年度 実績報告書

低分子リガンドの高機能化に関する研究

公募研究

研究領域化学コミュニケーションのフロンティア
研究課題/領域番号 20H04761
研究機関東北大学

研究代表者

有本 博一  東北大学, 生命科学研究科, 教授 (60262789)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2022-03-31
キーワード低分子
研究実績の概要

医薬などへの応用される低分子化合物は、天然物や合成化合物を中心に活発に研究されてきました。低分子は合成が容易で、比較的製造コストが低く、経口吸収性など生体への投与に適した性質を持っています。一方で、生体高分子に比較すると分子サイズが小さいため、生体分子に結合した場合に十分な阻害活性を示さないことが問題になります。これら低分子の長所を生かし、短所を低減する高機能な新規分子の開発が必要です。
低分子の生体高分子のバインダーとしての機能を利用し、別の構造ユニットと組み合わせる高次化の試みがなされています。例えば、PROTACと呼ばれるデグレーダーは、分解をもたらすタグと標的選択性を担うユニットからなります。標的分子を分解することによって、siRNAのようなノックダウン効果をもたらします。
本研究では、デグレーダーへの利用を念頭に低分子化合物の研究を実施しました。
タンパク質凝集体は神経変性疾患などの典型的な表現型です。細胞質のタンパク質は、相分離し液滴を形成する場合があり、生成した液滴はメンブランレスオルガネラとして機能する一方で、徐々に固化して凝集体を形成します。そこで、疾患に関わるタンパク質を選び、細胞内での相分離条件を検討しました。また、生じた液滴に対して結合する分子の探索を行いました。今後は、これらタンパク質の分解に向けて複数の化合物を組み合わせたデグレーダーの設計に移行する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

低分子の応用に向けて、初年度の検討を計画に沿って実施できた。新たな生物活性分子には到達していないが、次年度の検討に引き継いでいく。

今後の研究の推進方策

相分離するタンパク質は、液滴の硬さによって性質を大きく変える。次年度は、FRAP法など硬さの指標を測定して、デグレーダー作用との関係を調べていく。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Targeting selective autophagy by AUTAC degraders2020

    • 著者名/発表者名
      Daiki Takahashi, Hirokazu Arimoto
    • 雑誌名

      Autophagy

      巻: 16 ページ: 765-766

    • DOI

      10.1080/15548627.2020.1718362

    • 査読あり
  • [雑誌論文] オートファジー創薬の扉をひらくAUTACの開発と展望2020

    • 著者名/発表者名
      高橋大輝, 有本博一
    • 雑誌名

      実験医学

      巻: 38 ページ: 2331-2336

  • [学会発表] AUTACs: Autophagy-Mediated Degraders2020

    • 著者名/発表者名
      Hirokazu Arimoto
    • 学会等名
      3rd Annual Targeted Protein Degradation Summit 2020
    • 国際学会 / 招待講演

URL: 

公開日: 2022-12-28  

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