公募研究
本研究課題では、近年注目されている活性硫黄分子種の産生酵素として報告されているCSE(cystathionine γ-lyase)及びCBS(cystathionine β-synthase)の選択的阻害剤を独自に開発した蛍光プローブを用いて探索することを目指す。それによって、CSE及びCBSのH2Sを含む活性硫黄分子種の産生に関わる生細胞内での役割の解明に貢献していく。これまでに、同一領域の前回の公募研究にて、独自の蛍光プローブを用いた阻害剤のハイスループットスクリーニングによって、新たなCSE阻害剤を見出すことに成功している。さらに、見出したCSE阻害剤のin vitroでの阻害活性や阻害メカニズムをX線結晶解析やMD計算を用いることで明らかにしている。さらに令和2年度は、開発したCSE選択的阻害剤の特性を更に精査すると共に、培養細胞(HEK283T細胞)へと応用し、開発した阻害剤が細胞膜透過性を持ち、生細胞においても細胞内のCSEの酵素活性を阻害することが可能であることを明らかにした。令和3年においては、新たにCBSの選択的な阻害剤のハイスループットスクリーニングを行うために、CBS蛋白質の大腸菌による大量発現を行うと共に、CBSの酵素基質であるシステイン及びホモシステインが高濃度に存在する場合においても低いバックグランド蛍光を示す、新たな阻害剤スクリーニング用の蛍光プローブの開発を行った。さらにそれを用いて阻害剤のハイスループットスクリーニングを行い、CBSに高い選択性を示す新たな阻害剤の開発に成功した。今後、本阻害剤の誘導体化によるCBS阻害活性の向上や生細胞でのCBS阻害剤の阻害活性の評価などを行っていく予定である。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2021 その他
すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (8件) (うち国際共著 1件、 査読あり 6件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 3件、 招待講演 2件) 備考 (1件)
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