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2021 年度 実績報告書

RNAの構造揺らぎの大きさから進化しやすさを予想し制御する

公募研究

研究領域進化の制約と方向性 ~微生物から多細胞生物までを貫く表現型進化原理の解明~
研究課題/領域番号 20H04859
研究機関東京大学

研究代表者

市橋 伯一  東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (20448096)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2022-03-31
キーワードRNA / 構造揺らぎ / 進化可能性
研究実績の概要

揺らぎ応答理論に基づくと、進化が進むほどRNAの構造揺らぎが小さくなることが予想される。2020年度では、進化途中のすべてのRNA(64種類)について構造解析を行いこの予測が正しいかを検証した。その結果、確かに進化が進むにつれて揺らぎが減少する傾向があることを見出した。この結果から、揺らぎが大きい方が進化可能性が高い(=適応的な変異が多い)のではないか、という仮説を立てた。つまり、揺らぎが大きいほど改良可能な部分構造が多く、ゆえにそこを良くするための適応的な変異が見つかりやすいということである。この仮説は、揺らぎの大きなRNAと揺らぎの小さなRNAについて適応的な変異の頻度を比較することで実験的に検証が可能である。実際に我々は、進化途中に現れたいくつかのRNAについて、揺らぎの大きさと適応的な変異の頻度(進化可能性の大きさ)に相関があることを見出した。さらに、進化途中に現れたRNAではなく、人為的に揺らぎの大きさを変えた約10種類のRNAを構築し、それらが持つ適応変異の頻度を測定したところ、こちらについても揺らぎの大きいものほど適応的な変異の頻度が高いことを見出した。つまり揺らぎの大きさと適応変異の頻度はただの相関ではなく、因果関係があることを示唆している。以上の結果から、RNAの揺らぎの大きさを測定することにより進化しやすさを予想することができるようになった。また同時に人為的に揺らぎの大きさを変えることによって、進化しやすさを制御できることが示唆された。

現在までの達成度 (段落)

令和3年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和3年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件)

  • [雑誌論文] Evolutionary transition from a single RNA replicator to a multiple replicator network2022

    • 著者名/発表者名
      Mizuuchi, R., Furubayashi, T., Ichihashi, N
    • 雑誌名

      Nature Communications

      巻: 13 ページ: 1460

    • DOI

      10.1038/s41467-022-29113-x

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Relaxed Substrate Specificity in Qβ Replicase through Long-Term In Vitro Evolution2021

    • 著者名/発表者名
      Yukawa, K., Mizuuchi, R., Ichihashi, N
    • 雑誌名

      Life

      巻: 12 ページ: 32

    • DOI

      10.3390/life12010032

    • 査読あり / オープンアクセス

URL: 

公開日: 2022-12-28  

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