研究領域 | 予防を科学する炎症細胞社会学 |
研究課題/領域番号 |
20H04938
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
眞鍋 一郎 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (70359628)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 慢性炎症 / マクロファージ / 心不全 / 線維芽細胞 / 内皮細胞 |
研究実績の概要 |
慢性炎症は生活習慣病と癌に共通する基盤病態である。マクロファージは炎症の開始から、慢性化、組織リモデリングによる臓器機能障害まで、全てのプロセスに寄与する。申請者は、心臓の組織常在マクロファージが恒常性維持に必須であることも見いだした。マクロファージの機能多様性は細胞社会の中で様々な情報を受け取り、ダイナミックに応答することによって発揮されると考えられる。本計画では、単一細胞応答の解析から、細胞間相互作用ネットワークのダイナミクスの理解へと研究を展開し、マクロファージや線維芽細胞が、細胞社会の中で相互作用してストレスに応答する機序の解明をめざす。れにより炎症細胞社会が、どのように未病状態(加齢やストレス初期)から慢性炎症による組織リモデリングまでの生物プロセスを実行するかを理解することを目的とする。マウス心臓への圧負荷や心筋梗塞におけるマクロファージや線維芽細胞等の変化をシングルセルRNA-seqによって解析し、心臓マクロファージについては、明確なトランスクリプトームの相違により区別できる7-10種類のサブポピュレーションを新たに同定し、またこれらのストレスによる変化を見いだした。さらに受容体・リガンドペアによる相互作用の変化を解析した。これにより、これまで知られていなかったマクロファージサブポピュレーションと間質細胞サブポピュレーションとの相互作用を見いだした。また、マクロファージ分化についても解析を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
シングルセルRNA-seq解析の手法を確立し、また受容体・リガンド相互作用については独自アルゴリズムによる解析を行った。これにより、病態における細胞間相互作用のダイナミックな変化を見いだしており、ほぼ予定通り進行している。
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今後の研究の推進方策 |
引き続きシングルセルRNA-seq解析を進めるとともに、シングルセルATAC-seq解析も行い、マクロファージサブポピュレーションの変化を誘導するエピジェネティクス機序の解析を進める。新たに同定したマクロファージサブポピュレーションについては、その変化と機能をフローサイトメトリー等により詳細に解析する。また、細胞間相互作用については、ex vivoの系での解析を進め、ダイナミックな単一細胞間相互作用の理解を進める。
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