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2021 年度 実績報告書

階層的コミュニケーションの成立に寄与する自閉傾向に関する認知モデリング

公募研究

研究領域共創的コミュニケーションのための言語進化学
研究課題/領域番号 20H04996
研究機関静岡大学

研究代表者

森田 純哉  静岡大学, 情報学部, 准教授 (40397443)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2022-03-31
キーワード実験記号論 / 階層性 / 認知モデル / 自閉傾向
研究実績の概要

領域のゴールである言語的コミュニケーションにおける「意図共有」と「階層性」に対して,「認知アーキテクチャ」,「自閉傾向」,「実験記号論」をキーワードとした検討を進めた.
まずは,意図共有に関する認知モデリングを認知アーキテクチャであるACT-R (Adaptive Control of Thought-Rational) をベースに進めた.本年度のモデリングでは,基礎的な意図共有の要素として音韻認識に焦点をあてた.連続音をある言語共同体において定められた単位に区切ることにより,単語が認識され,意図共有がなされると考えられる.そのような音韻認識に関する問題を検討する認知モデルをACT-T上のパラメータを調整することによって作成した.
さらに,上記のような音韻認識に関する問題は,自閉傾向を有する児童に顕著に観察される.実際,自閉傾向は模倣を含む意図共有に関する能力に負の影響を及ぼすことが指摘されている.その一方で自閉傾向は,新規なパターンの発見に有効に寄与し,人類史におけるイノベーションの生起との関係も指摘されている.このような自閉傾向と言語進化の関係について,実験記号論に基づく実験データに基づいてまとめた.
階層性に関する検討も実験記号論に基づいて進めた.実験記号論において,意図共有は事前に意味の定まっていない記号を送信し合うことで達成される.本年度の検討においては,課題中に参加者が一度に3つの記号を送信する課題を用意した.3つの記号間の関係から階層性の指標を計算し,実験中に得られたアンケート指標との相関を分析した.その結果,階層的なメッセージは意図共有には必ずしも有効に働かず,逆にコミュニケーションにおける信頼性を損なう可能性があることがわかった.

現在までの達成度 (段落)

令和3年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和3年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 2件)

  • [雑誌論文] 新規な記号コミュニケーションシステムの形成に及ぼす自閉傾向の影響2022

    • 著者名/発表者名
      森田 純哉、小嶋 暁、金野 武司、橋本 敬
    • 雑誌名

      認知科学

      巻: 29 ページ: 557~574

    • DOI

      10.11225/cs.2022.024

  • [雑誌論文] Cognitive model of phonological awareness focusing on errors and formation process through Shiritori2022

    • 著者名/発表者名
      Nishikawa Jumpei、Morita Junya
    • 雑誌名

      Advanced Robotics

      巻: 36 ページ: 318~331

    • DOI

      10.1080/01691864.2022.2029763

  • [学会発表] Discovering hierarchy in ambiguous communications during an experimental semiotics task2022

    • 著者名/発表者名
      Soma Yano, Naoki Inoue and Junya Morita
    • 学会等名
      Joint Conference on Language Evolution
    • 国際学会
  • [学会発表] ジレンマゲームにおける階層的なコミュニケーションの生起に関する分析2022

    • 著者名/発表者名
      矢野 颯真, 井上 直紀, 森田 純哉
    • 学会等名
      人工知能学会全国大会 2022
  • [学会発表] Simulating the factors that correct the erroneous process of phonological generation in Japanese2021

    • 著者名/発表者名
      Junpei Nishikawa, Junya Morita
    • 学会等名
      the 43rd Annual Meeting of the Cognitive Science Society (CogSci 2021)
    • 国際学会
  • [学会発表] 認知モデルを組み込んだ音韻意識形成支援システムの提案2021

    • 著者名/発表者名
      西川 純平, 森田 純哉
    • 学会等名
      日本認知科学会第38回大会
  • [学会発表] メッセージ付きジレンマゲームにおけるコミュニケーションシステムの変化に関する実験的検討2021

    • 著者名/発表者名
      矢野 颯真, 井上 直紀, 森田 純哉
    • 学会等名
      日本認知科学会第38回大会

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公開日: 2023-12-25  

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