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2020 年度 実績報告書

授与動詞構文の理解を支える視点取得能力の発達

公募研究

研究領域共創的コミュニケーションのための言語進化学
研究課題/領域番号 20H05008
研究機関青山学院大学

研究代表者

米田 英嗣  青山学院大学, 教育人間科学部, 准教授 (50711595)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2022-03-31
キーワード視点取得 / 共感性 / 敏感性 / 物語理解 / 授与動詞構文
研究実績の概要

本研究では、授与動詞構文といった関係性を重視した言語理解を研究し、視点取得のメカニズムを明らかにすることを目指す。授与動詞構文の理解は、物を渡す人と受け取る人との意図の共有を理解することと関連し、視点取得は階層性を持つことで「心の理論」の獲得を可能にする。したがって、当該領域の仮説である「意図共有と階層性が絡み合って直示が出現し、人間の共創的言語コミュニケーションの進化に繋がったという仮説」の実証的な検討に貢献できる。

本研究の結果から、日本語版対人反応性指標で測定される共感性は、日本語版青年前期用敏感性尺度で測定される敏感性が媒介して、授与動詞の理解と関連することがわかった。一方で、敏感性は共感性を媒介せずに、授与動詞の理解と関連していた。このことから、視点取得の基盤は共感性にあり、感覚に対する敏感性がその上に位置して、より高次な言語理解である授与動詞構文の理解を支えるという階層性が明らかになった。

今年度の研究成果の一部は、「物語理解における時空間となつかしさ」という題目で、心理学評論に採択された。また、「子どもの育ちを考える教育心理学」という書籍の中で、定型発達児および自閉スペクトラム症児の学習と思考・知能の発達についての論文を執筆した。
児童心理学の進歩2021という書籍において、「物語理解と感情」という章を執筆し、自閉スペクトラム症者が示す物語理解における視点取得について考察を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

新型コロナウイルスの影響もあり、対面実験ができないが、ウェブによる調査でデータを取得している。したがって研究計画に遅れはなく、おおむね順調に進展していると考えられる。

今後の研究の推進方策

今年度は、大学生を対象に対面実験を行う予定である。対面実験ができない場合は、オンラインによる実験を行う予定である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 図書 (4件)

  • [雑誌論文] 物語理解における時空間となつかしさ2021

    • 著者名/発表者名
      米田英嗣・西田マリア
    • 雑誌名

      心理学評論

      巻: 64 ページ: ―

    • 査読あり
  • [学会発表] 公募シンポジウム「言語習得の心理・神経基盤および教育への応用」企画、指定討論2020

    • 著者名/発表者名
      米田英嗣
    • 学会等名
      日本心理学会第84回大会
  • [図書] 「物語理解と感情」. 児童心理学の進歩20212021

    • 著者名/発表者名
      米田英嗣・間野陽子
    • 総ページ数
      ―
    • 出版者
      金子書房
  • [図書] 学習することで世界は変わるか?ー発達に応じた学習と思考・知能の発達ー 高櫻綾子 (編) 子どもの育ちを考える教育心理学-人間理解にもとづく保育・教育実践-2021

    • 著者名/発表者名
      米田英嗣
    • 総ページ数
      ―
    • 出版者
      朝倉書店
  • [図書] 『児童心理学の進歩2020』 「利他性を導く多様な共感性」(亀田達也「モラルの起源」についての書評シンポジウム)2020

    • 著者名/発表者名
      日本児童研究所 (監) 米田 英嗣 ほか
    • 総ページ数
      264(執筆ページは226~230ページ)
    • 出版者
      金子書房
  • [図書] 『消費者の心理をさぐる―人間の認知から考えるマーケティング』 「物語を用いた消費者行動ーナラティブ・プロジェクションに基づく検討」(米田英嗣・津村将章)2020

    • 著者名/発表者名
      米田英嗣・和田裕一(編)
    • 総ページ数
      182(執筆ページは119~141ページ)
    • 出版者
      誠信書房

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公開日: 2021-12-27  

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