公募研究
タッチスクリーンを用いてオプション生成の流暢性と独自性とを計測する線描課題に関して,オリジナルの開発者である Harvard 大学の Yuen-Siang Ang 博士と連絡を取りながら,3 種類の対照課題を含めた試行数・課題時間・インストラクションについて検討・改変し,定型発達の児童の被験者7名から予備的なデータを取得した.これらのデータの解析の結果,児童からでも安定して,流暢性と独自性の指標を計測できることを確認した.また,Ang et al. (2018) の先行研究と一致して,独自性の指標は運動や運動計画の能力とは独立であることを確認した.さらに,この結果に基づき,fMRIで独自性と新規性を計測可能な系列課題を開発した.感染症の状況が落ち着き次第,fMRIデータ取得が可能な状況である.さらに,時間的に幅のある報酬の経験がどのようなどのような経験効用を生み出すかを明らかにする fMRI 課題を開発した.その結果,経験効用のトレンドが決定効用を決めることが明らかになった.この結果については,複数の国際学会で発表し,現在,論文執筆中である.また,感染症拡大により,対面式の実験が不可能だったため,他行為可能性や源泉性,コントロール可能性といった自由の経験を計測するための VR 課題を作成し,オンライン実験を行った.その結果,人々の自由の経験は,決定論とは両立不可能なリバタリアン的なものであることが明らかになった.この結果については日本科学哲学会で発表し,現在,論文執筆中である.
2: おおむね順調に進展している
感染症拡大により従来計画していた階層性と創造性に関する実験自体は保留の状態であるが,fMRI課題の開発を終え,実行を待つ状況にまで到達することができた.また本実験の遅れを補って,オンラインのVR実験および経験効用に関する研究を進展させることができた.
感染症の状況が落ち着き次第,開発したfMRI課題を実行する.また,現在執筆中の経験効用に関する論文および自由の経験に関する論文を2022年度末までに完成させ,投稿する.
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件) (うちオープンアクセス 1件) 学会発表 (9件) (うち国際学会 6件) 図書 (1件) 備考 (3件)
bioRxiv
巻: - ページ: 1-47
10.1101/2021.06.04.447048
https://researchmap.jp/kiijima
https://www.researchgate.net/profile/Kazuki_Iijima
http://utcp.c.u-tokyo.ac.jp/members/data/iijima_kazuki/