研究領域 | 共創的コミュニケーションのための言語進化学 |
研究課題/領域番号 |
20H05017
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研究機関 | 相模女子大学 |
研究代表者 |
後藤 和宏 相模女子大学, 人間社会学部, 教授 (20546725)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | メタ認知 / 情報希求行動 / げっ歯類 / マウス |
研究実績の概要 |
現在、遂行中の課題について、動物は解答できるような容易なものか、あるいは解決に必要となる知識を十分に持ち合わせているかを内省し、解決が困難であると判断される場合には、課題解決のために適切な行動調整を行うことが報告されている。しかし、このようなメタ認知について、動物が内省以外の手がかりを利用することも指摘されており、実験場面で動物が用いる手がかりを明らかにすることが重要である。 本研究では、標準的な実験動物であるマウスを対象に輝度弁別遂行中の情報希求行動が生じるしくみについて検討した。実験では、輝度の異なる8種類の刺激からなる刺激対10対を用い、刺激輝度の高いものを選択すると餌報酬が与えられる輝度弁別を訓練した。実験の結果、刺激対の輝度差が小さいほど弁別が困難になるため、正答率が低下することが確かめられた。 今後、情報希求試行を導入して、情報希求行動がどのように生じるか検討する。情報希求試行では、輝度弁別と同時に情報希求選択肢を呈示する。情報希求選択肢を選択すると、課題選択肢のうち輝度の低い刺激が消失し、標的のみが呈示される。そのため、この試行では、必ず正答できる。しかし、マウスは情報希求せずに輝度弁別課題に解答することもできる。この場合、誤答してしまうと、報酬を得られないまま試行が終了してしまう。そのため、マウスが輝度弁別課題に関する自身の確信度を手がかりに情報希求するならば、輝度差が小さい試行よりも大きい試行で、高頻度の情報希求行動が生じ、新奇場面でも適切に情報希求行動が生じることが予想される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウィルス感染症の流行により、実験室に入室する人数を制限したり、業者への物品の発注を遅らせた。その結果、予定よりも少し遅れて実験を実施することになった。
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今後の研究の推進方策 |
マウスの情報希求行動が内省手がかりによるものか条件を変えた様々なテストを実施し、明らかにする。
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