歌を学習するトリ、ソングバードの一種であるキンカチョウは発達期に聴く成鳥の歌を覚え、これを模倣することで歌を学習する。この時、キンカチョウのヒナは、スピーカーから流れる受動的に聴く歌は学習せず、親との社会的相互作用のなかで聴く歌を積極的に学習する。本研究ではこのキンカチョウの歌学習をモデルとして用い、社会的相互作用により学習が強化される神経メカニズムを明らかにすることを目的とした。 コロナウィルス感染拡大の影響で研究室閉鎖などがあり、少々進行が遅れていたが、順調に実験を再開し、研究を行った。これまでの研究から、親鳥との社会的音声コミュニケーションにより初期遺伝子の発現が上がると報告のある青斑核、また青斑核から投射を受け、研究代表者の研究室ではこれまでの研究で明らかにした、親鳥の歌の記憶が形成される高次聴覚野から神経活動を記録し、親鳥との音声コミュニケーションによる影響を明らかにした。さらにオプトジェネティクスを用いた研究も開始し、高次聴覚野における青斑核の入力の影響を明らかにしようとしている。
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