公募研究
本研究は、マヤ文明黎明期最大のアグアダ・フェニックス遺跡(メキシコ)で先古典期前期・中期前葉(前1200~前700年)に建造された神殿ピラミッド跡、支配層と農民の住居跡やその周囲の広範な発掘区の層位的発掘調査で出土した武器をはじめとする石器、その他の遺物及びモニュメント建築の詳細な分析を通して、マヤ文明黎明期の複合社会の形成と戦争について研究する。新型コロナウイルス感染の蔓延のために、2020年度に引き続き2021年度もメキシコに調査に行けなかった。ピンチをチャンスに変えるべく、これまでの研究成果を論文や本としてまとめることに力を注いだ。最も大きな研究活動として、単著者『マヤ文明の戦争:考古学から辿る痕跡と盛衰』の原稿を完成させた。本書は、考古学から戦争の痕跡を通時的に辿り、マヤ文明の戦争が社会の複雑化に果たした役割と戦争の性格を論じてマヤ文明の盛衰と実像に迫るものである。これまでに先スペイン期のメソアメリカやアメリカ大陸の戦争を扱った論文集が英語で出版されている(たとえば、Brown and Stanton 2003; Morton and Peuramaki-Brown 2019; Nielsen and Walker 2009b; Scherer and Verano 2014)。9世紀前後のいわゆる古典期マヤ文明の衰退と戦争に関する論文集もある(Iannone et al. 2016)。ところが不思議なことにマヤ文明の戦争を通時的に論じた単著は国内外のいかなる言語でも書かれていない。本書は世界で初めてマヤ文明の戦争を通時的に論じる単著書であり、2022年度に京都大学学術出版会から出版される。査読論文としては、松木武彦と共著で「古墳文化とマヤ文明:比較考古学研究事始」を 『文明動態学』創刊号に出版した。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2022 2021 その他
すべて 国際共同研究 (4件) 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (7件) (うち招待講演 7件) 備考 (1件)
文明動態学
巻: 1 ページ: 21~38
10.18926/63025
La Libertada Religiosa es Todo, menos Religiosa
巻: - ページ: 46-48
もういちど読む山川世界史PLUSヨーロッパ・アメリカ編(山川出版社)
巻: - ページ: 89
古代アメリカ
巻: 24 ページ: 101-105
https://info.ibaraki.ac.jp/Profiles/5/0000403/profile.html