対象となる2-3歳のカニクイザル頭蓋骨標本を選別するために、歯の萌出状態からHellmanの咬合発育段階で分類し、IA期からIIIA期までの頭蓋骨標本(7体)を抽出した。一般的にヒトのセファログラム撮影では頭冠部の基準平面としてSN(Sella-Nasion)平面を用いるので、頭部骨格標本からの情報とセファログラム撮影でえられた像からこの平面を規定する基準点が確認されるかどうかを検討した。結果としてSellaにおいてはトルコ鞍の形成が明瞭でなく特定が難しく、Nasionにおいても鼻骨と前頭骨の境界線をはっきりと確定することができなかった。その結果、本標本から得られた情報で頭冠部の基準平面を新たに設定する必要性がわかり、2022年3月に成獣カニクイザルのセファログラム撮影とCT撮影を同時に行うこととした。 頭部骨格標本に関しては、京都大学霊長類研究所 伊藤毅先生のご協力を頂いた。また、2022年3月の京都大学霊長類研究所の閉所に伴い、レントゲン撮影の場所を、愛知大学歯学部放射線科教授有地榮一郎先生にご協力頂いた。 海外での現地調査は新型コロナ感染症のために、期間を通じて行うことができなかった。装置の輸送についても大学内での手続きに終わっている。
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