研究領域 | 出ユーラシアの統合的人類史学:文明創出メカニズムの解明 |
研究課題/領域番号 |
20H05138
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研究機関 | 青森公立大学 |
研究代表者 |
長岡 朋人 青森公立大学, 経営経済学部, 准教授 (20360216)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 生物考古学 |
研究実績の概要 |
南米の人類学的調査の結果をまとめて論文にした。日本人類学会の会報であるAnthropological Science」に特集号を企画し、私は総説論文と原著論文を掲載をした。また、「アンデス文明ハンドブック」のコラムの執筆を行った。また、日本解剖学会で新しい研究成果を発表した。2012年にペルー、パコパンパ遺跡で発掘された3体の貴人墓から出土した人骨の報告を行った。資料は,金製品を副葬された若年女性(標本番号12PC-Ent 530-H1)、銀製品や顔料をともなう高齢女性(標本番号12PC-B-Ent 532-H1),この高齢女性と一緒に埋葬された若年女性(標本番号12PC-B-Ent 532-H2)である。本資料を中心に遺跡全体から出土した人骨を俯瞰すると,齲歯率や生前喪失歯率には階層差(階層が高いほど割合が低い)があることが明らかになった。また、階層が高い人骨には人工頭蓋変形が施されていた。次に、生物考古学という分野を振り返り、日本の生物考古学の現状と課題について「考古学ジャーナル」に論考をまとめた。本科研費のプロジェクトの成果として2020年度に日本学術振興会賞を受賞した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
論文の出版が順調に行われているが、新型コロナウィルスの流行で海外出張に行けないため、データ収集は遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
可能な限り海外調査に行きたいが、それができない場合は日本国内のアンデスの人骨の調査を行う。
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