公募研究
本研究における機能コアとは、「格子振動(フォノン)のみ散乱する結晶粒界」と定義している。本公募研究においては、最近申請者が見出した「 ゲルマニウムスズ(Ge1-xSn)薄膜中のフォノンのみ散乱する結晶粒界」に対して、正孔が結晶粒界で散乱されにくい理由、フォノン散乱に有効な粒界構造、電子に対する結晶粒界の影響の3点を明らかにすることを目的としている。本年度は、「フォノン散乱に有効な粒界構造」を明らかにすることを目指し、多結晶薄膜とエピタキシャル薄膜の2種類の試料を準備し、熱伝導率計測を行なった。多結晶薄膜中のランダム粒界では、他の材料系と同様、フォノンが散乱され熱伝導率の大幅低減を達成したが、電気伝導率も劣化してしまった。一方、エピタキシャル薄膜中の微傾斜により形成される結晶ドメイン界面でも、フォノンが散乱される(熱伝導率が低減できる)ことが明らかとなった。不純物散乱・ウムクラップ散乱・粒界散乱の3つを考慮した熱伝導率の数値計算も実施した。実験結果と合わせこむことで、Ge1-xSnx薄膜の熱伝導率を同定可能なユニバーサルな関係式を構築することに成功した。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2022 2021
すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 2件、 査読あり 4件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 4件、 招待講演 2件)
Japanese Journal of Applied Physics
巻: 61 ページ: SC1086
10.35848/1347-4065/ac4686
Applied Physics Letters
巻: 119 ページ: 113903
10.1063/5.0062339
ECS Transactions
巻: 104 ページ: 183~189
10.1149/10404.0183ecst
Advanced Energy Materials
巻: 12 ページ: 2103191
10.1002/aenm.202103191