本年度はマイクロ流体デバイス中での水溶液の凍結を利用し、空間的に制御された氷の結晶粒界を利用した粒子分離法の開発を行った。これにより、マイクロ/ナノ粒子の分離を実現した。このような系は細胞と小胞体の分離に適用できると考え、凍結環境における生体機能の発現を評価するためのプラットフォームとして有用であると考える。 氷表面のダングリングボンドを利用した金属錯体の配位子交換反応については、これまで氷/有機溶媒系で実験を行ってきたが、メタノール水溶液に錯体を添加しそれを凍結するだけでも配位子交換が生じることを見出した。しかしながら、氷壁面のダングリングボンドの効果なのか、液相の特異的な性質なのか、両者の切り分けができておらず、この点に関しては助成期間後も検討する。
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