研究領域 | 水圏機能材料:環境に調和・応答するマテリアル構築学の創成 |
研究課題/領域番号 |
20H05224
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
仁科 勇太 岡山大学, 異分野融合先端研究コア, 研究教授 (50585940)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | カーボン / 吸着 / 化学修飾 / ラジカル |
研究実績の概要 |
本研究では,分子認識可能な機能部位を炭素材料に付与し,水中に含まれる分子またはイオンと選択的に相互作用または除去する材料に展開した。本領域の発展に貢献すべく,A01班が創出する機能性高分子と炭素の複合体,および無機多孔質材料と炭素の複合体の作製を検討した。さらに,機能開拓班(A03班)への橋渡しをスムーズに行えるように,材料の評価および基礎物性評価を実施した。有機合成と炭素材料の両軸で研究を実施することにより,新規な水圏機能材料を創出した。 具体的には,炭素材料を水圏機能材料として応用すべく水との相互作用を高めるために,親水性官能基を付与した。黒鉛やナノダイヤの酸化条件を変えることにより,酸素含有量を5~50%の範囲で制御し,カルボキシ基を豊富に含むものやヒドロキシ基・エポキシ基を豊富に含むものを作り分けた。また,これら酸素官能基を足掛かりとして,機能性分子を炭素材料上に導入した。合成した機能化炭素材料を用いて,水中の重金属の除去率を評価した。イミノ二酢酸を酸化グラフェン上に固定化した材料が,重金属を選択的に除去できることを見いだした。また,イミノ二酢酸と酸化グラフェンの間にリンカーとなるアルキル鎖をはさむと,その効率が向上した。アルキル鎖の長さの最適化も行い,その妥当性をDFT計算にて検証した。DFT計算を駆使し,イミノ二酢酸の構造を変えることにより,有用な金属を回収するための素材を開発している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
年度始めはコロナ禍で出遅れたが,領域会議を通して共同研究のマッチングができ,年度後半に挽回できた。
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今後の研究の推進方策 |
成果を論文にまとめることができた。国際的な学術雑誌に投稿する。 他班との共同研究を進め,新たな水圏機能材料を創出する。
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