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2020 年度 実績報告書

98%以上が水からなるフォトニック高分子ゲルの開発と機能開拓

公募研究

研究領域水圏機能材料:環境に調和・応答するマテリアル構築学の創成
研究課題/領域番号 20H05237
研究機関国立研究開発法人産業技術総合研究所

研究代表者

楽 優鳳  国立研究開発法人産業技術総合研究所, エレクトロニクス・製造領域, 主任研究員 (00784109)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2022-03-31
キーワード高含水率 / 電解質ゲル / フォトニック構造体
研究実績の概要

本研究では、高い含水率、環境変化に高速で応答できるハイドロゲルに、フォトニック構造体を導入することによって、電場等環境の変化により任意に制御することが可能なチューナブルフォトニックハイドロゲルを創成する。
昨年度、高含水率ゲルを創製した。フォトニックゲルを水酸化ナトリウム水溶液に数分間浸し、ポリアクリルアミド を加水分解してポリアクリル酸ナトリウムに変える。その後、純水で洗浄し、さらに純水中に保管すると、イオンを帯びているポリアクリル酸ナトリウム は高い浸透圧(吸水力)を生み出すため、ゲルはさらに吸水し、ネットワークが著しく膨張する。また、加水分解後のゲルは中性ポリマーネットワークから電場に応答性がある高分子電解質に変化する。高分子電解質ハイドロゲルは電界下で体積や形状が変化する。フォトニックハイドロゲルは、電界下で体積を変化させると、層間距離も変化し、したがって、構造色も変化する。これに基づいて、電界下での高応答性のカラーチューニング性を持つフォトニックハイドロゲルの創製に成功した。このとき電解質ゲルの解離イオンが電場下で拡散すると、ゲルの変形が起きることがわかった。更に、解離イオンの電場下での拡散は、層状構造と電場の方向に依存することが確認した。そのため、ハイドロゲルに二つの方向の電界(層に対して垂直/平行)を印加した。これに基づいて、電界下での高応答性のカラーチューニング性を持つフォトニックハイドロゲルを開発した

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

高含水率電解質フォトニックハイドロゲルを簡便に合成する方法を開発した。また、電界の環境刺激に対し、フォトニックバンドギャップの波長や幅などを可逆且つ高速的に制御できるチューナブルフォトニックハイドロゲルの創成に成功した。

今後の研究の推進方策

電場によるゲルの内部構造の変化と変形や力学特性について、構造色の変化を検証することで、その変化機構を解明する。また、電場制御による動的な色変化を利用して、バックライト不要な新規カラーディスプレイ、色の変化によって検知可能なセンサーなどへの幅広い応用を検討する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Ultrahigh‐Water‐Content Photonic Hydrogels with Large Electro‐Optic Responses in Visible to Near‐Infrared Region2021

    • 著者名/発表者名
      Youfeng Yue, Yasuo Norikane, Jian Ping Gong
    • 雑誌名

      Advanced Optical Materials

      巻: 9 ページ: 2002198-2002206

    • DOI

      10.1002/adom.202002198

    • 査読あり
  • [学会発表] 2Dナノシートからなるソフトナノ材料の微細加工2020

    • 著者名/発表者名
      Youfeng Yue, Yasuo Norikane
    • 学会等名
      第69回高分子討論会
    • 招待講演

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公開日: 2021-12-27  

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