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2021 年度 実績報告書

半減期10の27乗年以上の二重β崩壊観測を実現するTlー208背景事象除去の検証

公募研究

研究領域地下から解き明かす宇宙の歴史と物質の進化
研究課題/領域番号 20H05241
研究機関宮城教育大学

研究代表者

福田 善之  宮城教育大学, 教育学部, 教授 (40272520)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2022-03-31
キーワードニュートリノ / 二重ベータ崩壊 / チェレンコフ光 / 位相幾何学(トポロジー) / 半減期 / バックグラウンド
研究実績の概要

本研究では、Zr-96を用いたニュートリノを放出しない二重ベータ崩壊事象を10の27乗年以上の半減期での観測を実現するため、チェレンコフ光の位相幾何学情報である平均角を用いてTl-208のベータ・ガンマ事象の除去を実証する計画である。まず、半径2.65cmの特性丸底フラスコにZICOS実験用液体シンチレータを注入し、周囲に3/8インチ光電子増倍管(PMT)を50本配置したUNI-ZICOS検出器を製作した。この検出器にY-88からの1.836MeVのガンマ線を照射し、後方100度に散乱したガンマ線を検出することで検出器中央に1.484MeVの単色一定方向の電子を発生させ平均角を測定した結果、44度にピークが見られ、シミュレーションと一致することがわかった。ここで、PMTの光量を用いて事象の発生点を再構成する必要があるが、シミュレーションでは2mmの標準偏差で求められ、観測データも検出器中央に発生点が観測されている。次に、検出器の底部に設置した1/2インチPMTの信号を用いて、検出器外部上面からCo-60等の複数種の放射線源によるガンマ線を照射し、コンプトン散乱電子事象の平均角を測定した。その結果、全ての線源において平均角が45度にピークを有していた。更に、Co-60ベータ線源を検出器の首部分に挿入し、0.3mmのAl板を通過させることにより最大エネルギー1.48MeVの電子とガンマ線を入射させて、ベータ・ガンマ事象の平均角を測定している。シミュレーションでは、1.333MeVガンマ線のコンプトン端以上のエネルギーの事象が平均角60度にピークを持つことが予想されている。初期の解析結果では、事象数は少ないものの、平均角が50~70度に事象が集まっており、ベータ・ガンマ事象は電子とは異なる平均角を持つことが見込まれている。従って、当初計画通りの結果が得られることを期待している。

現在までの達成度 (段落)

令和3年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和3年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (10件)

すべて 2021 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件、 招待講演 2件) 備考 (5件)

  • [雑誌論文] Direct measurement of topological information for Cherenkov lights using HUNI-ZICOS detector2021

    • 著者名/発表者名
      Yoshiyuki Fukuda、Shigetaka Moriyama、Katsuki Hiraide、Izumi Ogawa、Takahiro Gunji、Ryohei Hayami、Satoru Tsukada、Shunsuke Kurosawa
    • 雑誌名

      Journal of Physics: Conference Series

      巻: 2156 ページ: 012116~012116

    • DOI

      10.1088/1742-6596/2156/1/012116

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Direct measurement of topological information for Cherenkov lights using HUNI-ZICOS detector2021

    • 著者名/発表者名
      Yoshiyuki Fukuda、Shigetaka Moriyama、Katsuki Hiraide、Izumi Ogawa、Takahiro Gunji、Ryohei Hayami、Satoru Tsukada、Shunsuke Kurosawa
    • 雑誌名

      BULLETIN OF MIYAGI UNIVERSITY OF EDUCATION

      巻: 56 ページ: 205-214

    • オープンアクセス
  • [学会発表] 半減期10の27乗年以上の二重Β崩壊観測を実現するTLー208背景事象除去の検証2021

    • 著者名/発表者名
      福田善之、森山茂栄、平出克樹、小川泉、郡司天博、黒澤俊介
    • 学会等名
      新学術「地下宇宙」2021年領域研究会
    • 招待講演
  • [学会発表] DIRECT MEASUREMENT OF TOPOLOGICAL INFORMATION USING HUNI-ZICOS FOR ZR-96 NEUTRINOLESS DOBLE BETA DECAY EXPERIMENT2021

    • 著者名/発表者名
      Yoshiyuki Fukuda、Shigetaka Moriyama、Katsuki Hiraide、Izumi Ogawa、Takahiro Gunji、Ryohei Hayami、Satoru Tsukada、Shunsuke Kurosawa
    • 学会等名
      17th International Conference on Topics in Astroparticle and Underground Physics(TAUP2021)
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] ジルコニウム96を用いたニュートリノを放出しない二重ベータ崩壊事象の探索XVIII~チェレンコフ光の位相幾何学情報の測定とベータ・ガンマ背景事象の除去法の開発~2021

    • 著者名/発表者名
      福田善之、森山茂栄、平出克樹、小川泉、郡司天博、黒澤俊介
    • 学会等名
      日本物理学会 2021年秋季大会
  • [備考] TAUP2021のプロシーディングス

    • URL

      https://iopscience.iop.org/article/10.1088/1742-6596/2156/1/012116

  • [備考] 宮城教育大学紀要論文

    • URL

      https://mue.repo.nii.ac.jp/?action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_item_detail&item_id=1448&item_no=1&page_id=13&block_id=66

  • [備考] 新学術領域 「地下宇宙」研究会2021で発表したスライド

    • URL

      http://masamune.miyakyo-u.ac.jp/gakkai/verification-of-Tl-208-background-reduction-for-double-beta-decay-with-10to32-years-measuremnt.pdf

  • [備考] TAUP2021で発表したスライド

    • URL

      http://masamune.miyakyo-u.ac.jp/gakkai/TAUP2021-fukuda.pdf

  • [備考] 日本物理学会 2021年秋季大会で発表したスライド

    • URL

      http://masamune.miyakyo-u.ac.jp/gakkai/JPS2021-fall-web.pdf

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公開日: 2022-12-28  

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