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2020 年度 実績報告書

有限振幅法を用いた原子核密度汎関数理論による二重ベータ崩壊行列要素計算

公募研究

研究領域地下から解き明かす宇宙の歴史と物質の進化
研究課題/領域番号 20H05242
研究機関筑波大学

研究代表者

日野原 伸生  筑波大学, 計算科学研究センター, 助教 (80511435)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2022-03-31
キーワード二重ベータ崩壊 / 原子核構造 / 原子核密度汎関数法
研究実績の概要

半減期が測定されている2つのニュートリノを放出する二重ベータ崩壊の原子核行列要素を原子核密度汎関数理論に基づいて計算することで、アイソスカラー型中性子ー陽子対相関の結合定数の不定性を減らし、ニュートリノレス二重ベータ崩壊の原子核行列要素の値の精度を高めることが本研究課題の目的である。

ノースカロライナ大学で開発された中性子ー陽子チャネルの有限振幅法を用いて二重ベータ崩壊の原子核行列要素計算を二重複素積分によって計算を行っている。広い模型空間を使って実行できるように計算コードの並列化を行った。計算時間の大部分を占める被積分関数の計算部分の並列化により、調和振動子で20主量子数程度の広い模型空間を用いた二重ベータ崩壊の原子核行列要素計算が可能となった。また、二重ベータ崩壊の中間状態核のすべての状態の足し上げに対応する複素積分では、2ニュートリノを放出する二重ベータ崩壊の行列要素の場合、用いる積分経路によって行列要素の収束性が異なることがわかったため、収束性のよい積分経路を設定した。Skyrme型密度汎関数を用いた行列対角化による先行研究で計算された76Ge, 130Te, 136Xe, 150Ndの4つの核の原子核行列要素とアイソスカラー型中性子ー陽子対相関の結合定数依存性の比較を行った。先行研究と同様の結合定数依存性を再現することができたが、行列要素の値に数倍のずれが見られるため、中間状態核の重なり積分の計算の部分を中心に計算の見直しを行っている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2つのニュートリノを放出する二重ベータ崩壊の行列要素計算のためのコードの並列化も完了し、広い模型空間を用いた大規模計算の場合でも計算時間や使用メモリ量等に問題がないことがわかった。まだ先行研究と少し合わないところが残ってはいるものの、おおむね計画通りに進展がある。

今後の研究の推進方策

異なった手法で計算された先行研究の結果の再現にまずは取り組み、その後すべての二重ベータ崩壊原子核の計算、中性子ー陽子部分をベータ崩壊などの記述に最適化した原子核密度汎関数を用いて二重ベータ崩壊原子核行列要素の計算を行い、ベンチマーク結果として示す。以上の内容を論文としてまとめる。また、ニュートリノレス二重ベータ崩壊の計算に向けた実装を開始する。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2021 2020

すべて 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件、 招待講演 2件)

  • [学会発表] ニュートリノレス二重ベータ崩壊原子核行列要素計算の現状2021

    • 著者名/発表者名
      日野原 伸生
    • 学会等名
      ニュートリノを伴わない二重ベータ崩壊とその周辺
    • 招待講演
  • [学会発表] 有限振幅法を用いた原子核密度汎関数理論による二重ベータ崩壊行列要素計算2020

    • 著者名/発表者名
      日野原 伸生
    • 学会等名
      第2回新学術「地下宇宙」領域研究会
    • 招待講演
  • [学会発表] 2ニュートリノ二重ベータ崩壊原子核行列要素を用いたアイソスカラー型対相関結合定数の決定2020

    • 著者名/発表者名
      日野原 伸生
    • 学会等名
      日本物理学会2020年秋季大会
  • [学会発表] Calculation of double-beta decay nuclear matrix elements using QRPA2020

    • 著者名/発表者名
      Nobuo Hinohara
    • 学会等名
      12th symposium on Discovery, Fusion, Creation of New Knowledge by Multidisciplinary Computational Sciences
    • 国際学会

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公開日: 2021-12-27  

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