研究領域 | 蓄電固体デバイスの創成に向けた界面イオンダイナミクスの科学 |
研究課題/領域番号 |
20H05294
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
山本 健太郎 京都大学, 人間・環境学研究科, 特定助教 (90755456)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 固固界面 / 固体イオニクス / X線反射率 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は全固体リチウムイオン二次電池の正極/固体電解質の界面の構造とイオン輸送速度との関係を明らかにし、高速イオン移動可能な固固界面設計指針を打ち出すことである。オペランドX線反射率法を開発し、正極/固体電解質のモデル界面に適用することで、リチウムイオン輸送反応時における正極・固体電解質界面の空間電荷層の厚み・密度・粗さ変化を明らかにする。また、正極/固体電解質モデル電極に対して、電気化学測定を行うことで正極中のリチウムイオンの拡散係数、界面リチウムイオン輸送抵抗などの電気化学パラメータ抽出する。これらの構造パラメータと速度論パラメータとの関係を明らかにすることで、高速イオン移動可能な固固界面設計指針を打ち出すことを目指す。 2020年度は正極と固体電解質のヘテロ界面を観察するためにモデル界面を作製した。正極にはLiCoO2薄膜電極、固体電解質にはLi1+x+yAlx(Ti,Ge)2-xSiyP3-yO12 (LATP)を用いた。作製したLiCoO2正極/LATPの界面抵抗および界面構造の分析を行った。 (1)パルスレーザーデポジション法により作製したLiCoO2/LATP薄膜モデル電極を用いて、界面抵抗の電位依存性の評価を行った。成膜直後の状態からLiCoO2/LATP界面には界面層由来の抵抗が存在することがわかり、電位を上昇させると抵抗が減少することが向上することが明らかとなった。 (2) LiCoO2/LATPの界面構造を分析するためにex situ X線反射率測定を行った。成膜直後からLiCoO2とLATPの間には界面層が形成していることが明らかとなった。また、電位を上昇させると界面層の厚みが変化することが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
LiCoO2/LATPモデル薄膜電極を用いて電気化学測定、ex situ X線反射率測定を行った。次年度以降の計画を実施するための基盤情報を取得しており、概ね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
電位制御時における界面構造、特に界面層の厚みを定量的に評価するために、operando X反射率測定を実施する。電気化学計測と組み合わせることで抵抗との関係を明らかにする。
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