研究領域 | マルチモードオートファジー:多彩な経路と選択性が織り成す自己分解系の理解 |
研究課題/領域番号 |
20H05315
|
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
藤田 尚信 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 准教授 (00506496)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
|
キーワード | リソソーム / 膜タンパク質 / ショウジョウバエ / 分解 / ユビキチン化 |
研究実績の概要 |
分解の場であるリソソームの活性調節には、酸性加水分解酵素のみでなくリソソームに局在するトランスポーターなどの膜タンパク質の品質管理も重要である。しかしながら、リソソーム膜タンパク質がどのように分解・代謝されているのか、その実体は驚くほど明らかにされていない。本研究では、ショウジョウバエ個体を用いた独自の解析系を利用し、リソソーム膜タンパク質がリソソーム内腔に取り込まれ分解されるメカニズムの解明を目指している。 リソソーム膜タンパク質の分解はユビキチン化により制御されていると考えられる。そこで、2020年度は、ショウジョウバエ個体を用いた独自の解析系を用いて、ユビキチンE3酵素の網羅的なRNAiスクリーニングを実施した。その結果、リソソーム膜タンパク質の分解に働くと考えられる複数の候補を同定した。 ヒトの肝臓と脂肪の機能を併せ持つショウジョウバエの脂肪体という組織において、リソソーム膜タンパク質であるLampがリソソーム内で分解されていることを明らかにした。また、その分解は発生段階により影響を受けていることも新たに見出した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまでに、ユビキチンE3の網羅的なRNAiスクリーニングから、リソソーム膜タンパク質の分解を制御するE3遺伝子の候補を複数同定し、それらの機能解析を進めている。また、ショウジョウバエ幼虫の脂肪体におけるLamp1の分解が調節されるメカニズムの解析も進めている。
|
今後の研究の推進方策 |
今後は、これまでに得られたユビキチンE3酵素の機能解析を進める。また、新たに見出したショウジョウバエの発生段階の違いによるLampの分解調節メカニズムを解析する。さらに、リソソーム膜に局在するタンパク質のアイソフォームの違いがそれらの分解に与える影響を解析する。
|