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2020 年度 実績報告書

選択的オートファジーの誘導と認識の分子メカニズムの解明

公募研究

研究領域マルチモードオートファジー:多彩な経路と選択性が織り成す自己分解系の理解
研究課題/領域番号 20H05329
研究機関大阪大学

研究代表者

濱崎 万穂  大阪大学, 生命機能研究科, 准教授 (30455216)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2022-03-31
キーワードオートファジー / リソファジー / 分解 / ユビキチン
研究実績の概要

細胞内大規模タンパク質分解系であるオートファジーは、がん・神経変性疾患・2型糖尿病・感染症などの抑制から発生・分化まで多岐にわたる生理的機能をもつ。飢餓によるオートオートファジーとは違い、損傷を受けたオルガネラの除去や凝集塊など細胞にとって不要と考えられたものをクリーニングする新たなオートファジーの機能がわかり、分解ターゲットが選択的であることから選択的オートファジーといわれるようになった。また、選択的オートファジーは、ユビキチン化がオートファジー誘導シグナルとして働いているという証拠が集まり、ユビキチン-プロテアソーム系とオートファジーという2大タンパク質分解系の接点として注目されている。本研究では、世界に先駆けて発見した選択的オートファジーに着目し、選択性がどのように制御されるかの認識機構と、疾患と関わりの深い選択的オートファジーがどのように誘導されるかを多面的に解析することを目的としている。損傷の認識機構は正常なものを分解しないために、非常に重要な分子機構である。既に、スクリーニングなど解析は進めており準備状況は極めて良好である。研究成果として論文にまとめる際には、これまでと同様に本研究室ホームページ、大学本部を介して報道機関に成果を通知する。本研究計画の遂行により、損傷の認識機構の解明やユビキチン化がオートファジー誘導シグナルとして働くメカニズムの全容が解明されれば、学術的に重要なだけでなく、様々なオートファジー関連疾患に対する予防・治療のターゲットになる可能性があり、臨床医学の観点からも重要である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

リソファジーに影響を及ぼす候補群を現在17個までしぼれた。毎回実験を行うためにsiではなくsgで行ってきたが、sgでのノックダウン後7日待たないとコントロールが機能しなかったため、毎回7日待ったのちLLoMe処理をしてさらに24時間待つという系で行っていたため、時間がかかるのと、毎回ウイルスが同じ精度でできているかわからなかったため、新たに shRNAの系を導入することにした。これは当初の計画になかったが、うまくつくれれば今後の実験が簡単に行えるため現在細胞を作成中である。ウイルスの出来に左右されるためか、一気に17個つくるのには失敗し、現在10個つくれているかもしれない。これからリソファジー能を確認するため、もう少し時間がかかる。

今後の研究の推進方策

sgRNAあるいはshRNA, 候補数が絞れたらsiで毎時kdする、いずれかの中でうまくいく系を選択し、K48, K63のユビキチン化の有無、Atg因子のリクルートをLLoMe処理後1、4、10時間など時間経過を追い観察を行い、17個の候補因子のうち最も面白そうなものを選抜し、機能解析に進めたいと考えている。また、Atg16をベイトとして化合物スクリーニングをしえらえた化合物の解析を進める。Atg16のWDRドメインを削ると効果が見られなくなるため、必要ドメインがWDRと同定でき、いくつかのアミノ酸変異をいれることでとれてきた化合物が結合に必要なアミノ酸の部位を決めつつある。現在実際にこの化合物とWDRドメインが結合ダイレクトにするかin vitroで解析を行なっている。取れてきている化合物のデリバティブもつくりさらに効果が強くなるものがあるかも検討しており、今後も継続する。

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公開日: 2021-12-27  

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