• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2021 年度 実績報告書

ミクロリポファジーの脂肪滴・液胞膜接着機構と生理的意義の研究

公募研究

研究領域マルチモードオートファジー:多彩な経路と選択性が織り成す自己分解系の理解
研究課題/領域番号 20H05339
研究機関順天堂大学

研究代表者

辻 琢磨  順天堂大学, 大学院医学研究科, 特任助教 (40725628)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2022-03-31
キーワードリポファジー / 脂肪滴 / 出芽酵母 / オートファジー / ミクロオートファジー
研究実績の概要

静止期出芽酵母では液胞膜の特殊なミクロドメインが細胞質中の脂肪滴を包みながら液胞内腔に陥入することで、すなわちミクロオートファジーにより脂肪滴を液胞内に取り込む(=静止期ミクロリポファジー)。静止期ミクロリポファジーを駆動する分子メカニズムはいまだ多くが未解明である。本年度はオートファジー関連遺伝子(atg)欠損細胞において、ミクロドメイン形成に必須なステロール輸送タンパク質Ncr1とNpc2の異常局在が引き起こされる原因について検討した。
静止期のatg欠損細胞ではVph1などの液胞タンパク質が正常な分布を示すのに対し、Ncr1とNpc2は液胞に分布せず、液胞外のドット様構造に集積する。このようなNcr1とNpc2の分布異常は増殖期では起こらず、静止期でのみ起きる。この原因を調べるためatg7欠損細胞の静止期培地を除去し、フレッシュな培地に交換したところ、予想外の早い時間(5分以内)で局在異常は解消された。さらに、この細胞を再び元の培地に戻すことで異常局在が再誘導されることがわかった。またatg7欠損細胞の培地を野生型細胞の静止期培地や蒸留水に交換した場合も異常局在が解消された。逆に野生型細胞をatg7欠損細胞の静止期培地で培養した場合も異常局在が誘導された。これらの結果から、Ncr1とNpc2の異常局在の原因がグルコースやアミノ酸など栄養素の枯渇ではなく、atg7欠損細胞の静止期培地に含まれる何らかの物質であると考えられた。この観点から検討を進め、atg7欠損細胞培地中には野生型細胞のおよそ2倍量のXが含まれていることを見出した。またatg7欠損細胞培地とX濃度を揃えたWT培地、もしくはXを添加した蒸留水だけで、atg7欠損細胞だけでなくWTにもNcr1/Npc2異常局在が誘導されることが分かった。これらの結果からXがNcr1/Npc2局在異常を引き起こすことが示された。

現在までの達成度 (段落)

令和3年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和3年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Ultrastructural localization of de novo synthesized phosphatidylcholine in yeast cells by freeze-fracture electron microscopy2021

    • 著者名/発表者名
      Tsuji Takuma、Fujimoto Toyoshi
    • 雑誌名

      STAR Protocols

      巻: 2 ページ: 100990~100990

    • DOI

      10.1016/j.xpro.2021.100990

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Characterization of micron-scale protein-depleted plasma membrane domains in phosphatidylserine-deficient yeast cells2021

    • 著者名/発表者名
      Mioka Tetsuo、Guo Tian、Wang Shiyao、Tsuji Takuma、Kishimoto Takuma、Fujimoto Toyoshi、Tanaka Kazuma
    • 雑誌名

      Journal of Cell Science

      巻: 135 ページ: jcs256529

    • DOI

      10.1242/jcs.256529

    • 査読あり
  • [学会発表] 出芽酵母におけるミクロリポファジー機構の解析2022

    • 著者名/発表者名
      辻琢磨, 藤本豊士
    • 学会等名
      第127回日本解剖学会総会・全国学術集会
    • 招待講演
  • [学会発表] Distribution of vacuolar proteins in autophagy deficient yeast2021

    • 著者名/発表者名
      Tsuji T, Shibata R, Fujimoto T
    • 学会等名
      第44回日本分子生物学会年会
    • 招待講演
  • [図書] The Lipid 小胞体のリン脂質分布制御機構と関連する疾患2021

    • 著者名/発表者名
      辻琢磨, 藤本豊士
    • 総ページ数
      7
    • 出版者
      メディカルレビュー社

URL: 

公開日: 2022-12-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi