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2020 年度 実績報告書

リソソームの空間配置はオートファジーを制御し得るか?

公募研究

研究領域マルチモードオートファジー:多彩な経路と選択性が織り成す自己分解系の理解
研究課題/領域番号 20H05340
研究機関順天堂大学

研究代表者

笹澤 有紀子  順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任助教 (20594922)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2022-03-31
キーワードリソソーム / トラフィッキング / オートファジー
研究実績の概要

タンパク質分解系の一つであるオートファジーは、生体の恒常性維持に必須な細胞応答であり、その異常は神経変性疾患やがんなどさまざまな疾患と関わっている。リソソーム酵素がオートファジーによる分解に重要であることは自明であるが、近年マクロオートファジー(MA)においては、リソソーム細胞内分布もその活性を制御しているとの報告がなされている。リソソーム分布制御の重要な分子は徐々に明らかになりつつあるが、これらのシグナルの上流因子やクロストーク、それらを制御する化合物等は報告されておらず、リソソームの細胞内分布がMAだけでなく、シャペロン介在性オートファジー(CMA)、ミクロオートファジー(mA)の活性に関わるか否かも不明である。そこで、本研究ではリソソーム分布を変化させる化合物の取得を行い、その作用機序を解析し分子機構を同定すること、リソソーム分布がマルチモードオートファジーの制御に関与するか解明することを目的とする。令和2年度はリソソーム分布を制御する化合物を用いた質量分析を用いた解析によりJIP4リン酸化がリソソーム分布制御に必要であることを見出した。その結合タンパク質をSWATH-MSにて網羅的に探索しタンパク質Xを見出した。さらにJIP4ノックアウト細胞を用いた解析により、リソソーム分布変化はマクロオートファジーによるタンパク質分解に関わることを見出した。今後はリソソーム分布がシャペロン介在性オートファジーに影響するか否か、その分解基質であるalpha synucleinの野生型およびシャペロン介在性オートファジー耐性変異体を用いて検討する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

マクロオートファジーに対するリソソーム分布の重要性は評価できたが、その他のオートファジーに関する検討は次年度の課題である。一方、SWATH-MSを用いた解析でリソソーム分布に関わる新規分子の同定に成功した。以上の進捗を総合的に考えおおむね順調に進展していると考えている。

今後の研究の推進方策

リソソーム分布変化を制御する化合物をさらに同定し、リソソーム分布と様々なオートファジーとの関連を明らかにする予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Symbiotic polyamine metabolism regulates epithelial proliferation and macrophage differentiation in the colon.2021

    • 著者名/発表者名
      Nakamura A., Kurihara S., Takahashi D., Ohashi W., Nakamura Y., Kimura S., Onuki M., Kume A., Sasazawa Y., Furusawa Y., Obata Y., Fukuda S., Saiki S., Matsumoto M. & Hase K.
    • 雑誌名

      Nat Commun.

      巻: 12 ページ: 2105

    • DOI

      10.1038/s41467-021-22212-1.

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] BRUP-1, an intracellular bilirubin modulator, exerts neuroprotective activity in a cellular Parkinson's disease model2020

    • 著者名/発表者名
      2.Kataura T., Saiki S., Ishikawa K.I., Akamatsu W., Sasazawa Y., Hattori N., Imoto M.
    • 雑誌名

      J Neurochem

      巻: 155 ページ: 81-97

    • DOI

      10.1111/jnc.14997.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] A chemical genomics-aggrephagy integrated method studying functional analysis of autophagy inducers.2020

    • 著者名/発表者名
      1.Kataura T., Tashiro E., Nishikawa S., Shibahara K., Muraoka Y., Miura M., Sakai S., Katoh N., Totsuka M., Onodera M., Shin-Ya K., Miyamoto K., Sasazawa Y., Hattori N., Saiki S., Imoto M.
    • 雑誌名

      Autophagy

      巻: 7 ページ: 1-17

    • DOI

      10.1080/15548627.2020.1794590.

    • 査読あり

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公開日: 2021-12-27  

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