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2020 年度 実績報告書

インスリン分泌顆粒分解の空間的・時間的評価と分子機構および病態生理学的意義の検討

公募研究

研究領域マルチモードオートファジー:多彩な経路と選択性が織り成す自己分解系の理解
研究課題/領域番号 20H05343
研究機関順天堂大学

研究代表者

西田 友哉  順天堂大学, 医学部, 准教授 (10581449)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2022-03-31
キーワードインスリン分泌顆粒 / リソソーム / オートファジー / クリノファジー / 膵β細胞 / ユビキチン・プロテアソーム / CRISPR / ゲノムワイドスクリーニング
研究実績の概要

(1)インスリン分泌顆粒分解の評価とその誘導条件の検討:膵β細胞株を用いたインスリン分泌顆粒分解モデルにおいては適切な分解誘導条件の検討がこれまで不十分であった。まずタンパク還元条件を調整した電気泳動により、細胞内プロインスリンと成熟インスリンのウェスタンブロットによる評価方法を確立した。また、インスリン分泌顆粒内に局在するクロモグラニンのウェスタンブロットによる評価も加え、グルコース・アミノ酸飢餓条件において経時的にプロインスリンとクロモグラニンの減少が生じること、一方で成熟インスリンの減少には長時間の刺激が必要であることを見出した。
(2)インスリン分泌顆粒分解レポーターの作成:インスリン分泌顆粒に局在する膜タンパクにpH感受性が異なる蛍光タンパクであるEGFPとmCherryをタンデムに発現させ、上記(1)の刺激下で蛍光の変化を顕微鏡およびフローサイトメーターにより検討した。その結果、リソソームによる分解を反映してEGFP蛍光が減弱する一方でpH耐性のmCherryが残存するという想定通りの変化が認められること、またリソソーム阻害剤であるバフィロマイシンでそれらの変化が抑制されることを確認した。
(3)ゲノムワイドスクリーニングによるインスリン分泌顆粒分解の制御因子の同定:CRISPR/Cas9システムによるゲノムワイドスクリーニングにより、インスリン分泌顆粒分解を制御する遺伝子の同定を計画した。それに先立ち、高効率にゲノム切断が可能となるCas9発現膵β細胞株のクローニングを行った。この細胞株にマクロオートファジーの制御因子であるAtg5に対するgRNAを発現させAtg5が高効率に欠損することを確認し、そのインスリン分泌顆粒分解への関与を検討した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初計画した実験が予定通り実施されており、おおむね順調に研究が進展していると考えている。

今後の研究の推進方策

(1)CRISPR/Cas9によるゲノムワイドスクリーニングの実施:インスリン分泌顆粒分解蛍光レポーターと高効率ゲノム編集可能なCas9発現MIN6細胞に導入し、ゲノムワイドgRNAを用いてスクリーニングを行い、インスリン分泌顆粒分解制御因子を同定する。
(2)生体内でのインスリン分泌顆粒分解のモニタリング:上記のインスリン分泌顆粒分解蛍光レポーターを膵β細胞で発現するマウスを作成し、in vivoでの解析を行う。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Rubicon in pancreatic beta cells plays a limited role in maintaining glucose homeostasis following increased insulin resistance2020

    • 著者名/発表者名
      Aoyama Shuhei、Nishida Yuya、Fujitani Yoshio、Fukunaka Ayako、Miyatsuka Takeshi、Suzuki Luka、Himuro Miwa、Yoshimori Tamotsu、Watada Hirotaka
    • 雑誌名

      Endocrine Journal

      巻: 67 ページ: 1119~1126

    • DOI

      10.1507/endocrj.ej20-0326

    • 査読あり / オープンアクセス

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公開日: 2021-12-27  

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