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2020 年度 実績報告書

オルガネラ膜電位を主軸とするリソソーム-細胞膜融合・膜動態制御法の確立

公募研究

研究領域マルチモードオートファジー:多彩な経路と選択性が織り成す自己分解系の理解
研究課題/領域番号 20H05350
研究機関大阪歯科大学

研究代表者

納富 拓也  大阪歯科大学, 歯学部, 講師 (70542249)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2022-03-31
キーワードリソソーム / 破骨細胞 / オートリソソーム
研究実績の概要

破骨細胞形成因子(RANKL)の同定により、細胞外基質を分解する特異的領域(波状縁)を持つ破骨細胞の分化機序は明らかになってきたが、「どのように細胞外基質を分解する特異的領域にリソソーム小胞が選択輸送されるのか」の問いは、ほとんど明らかになっていない。これは細胞生物学の核心的課題であるオルガネラ選別輸送の解明に類似・通じるものである。いままでの研究結果を基に、リソソーム局所における細胞膜電位変動(リソソーム膜電位変動微小領域)に焦点をあてて、リソソーム膜融合動態、オートリソソーム形成および特異的領域形成の解明を目指す。本年度では、膜上分子によるリソソーム膜電位変動と膜融合過程を中心に検討した。破骨細胞を含めたマクロファージ系細胞へのカチオン性脂質を用いた遺伝子導入効率は非常に低い。パッチクランプ実験の成功率および効率を高めるために、導入効率の改善を行った。脂質膜透過性ペプチドおよびカチオン性脂質と混合して、遺伝子導入を行ったところ、カチオン性脂質のみと比較して、導入効率は顕著に向上した。また、従来レンチウイルスを用いていた骨髄細胞由来初代破骨細胞への遺伝子導入についても、カチオン性脂質添加による遺伝子導入効率の改善が認められた。それらを用いて、パッチクランプ法にて、リソソームからの電流記録を行った。実験中断期間があったため、予定通りの実験を実施できなかったが(記録回数の減少)、成熟破骨細胞由来の大きいリソソームと薬剤により融合促進させたリソソームからの電流記録・膜電位記録に成功し、標的分子の阻害薬によるリソソーム膜電位の変動を確認した。また、標的分子の阻害により、蛍光分子・標識を用いてオートリソソーム形成の減少およびリソソームの膜融合減少および波状縁の形成阻害が確認されたが、これらの減少と膜電位変動の関連については、検討を続けている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

感染症対策に伴う実験中断期間および細胞培養停止期間があったため、実験が遅れている。

今後の研究の推進方策

実施できなかった培養実験および次年度計画にある動物実験計画を迅速に進めて、前年度に計画していた通り、消耗品費(試薬・培養器具・実験動物)にあてる予定である。また、増加予定である実験を速やかに推進するために、実験機器の稼働を多くする。

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公開日: 2022-12-28  

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