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2020 年度 実績報告書

非ヒト霊長類の胚盤胞における内部細胞塊と栄養膜細胞の分化運命の解明

公募研究

研究領域全能性プログラム:デコーディングからデザインへ
研究課題/領域番号 20H05359
研究機関滋賀医科大学

研究代表者

依馬 正次  滋賀医科大学, 動物生命科学研究センター, 教授 (60359578)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2022-03-31
キーワード栄養膜幹細胞 / 胎盤 / 内部細胞塊 / 胚盤胞
研究実績の概要

これまでマウスなどのげっ歯類を用いた先行研究から、全能性(胎児および胎盤両方に貢献する分化能力と本申請では定義する)は8-16細胞期頃までに失われることが報告されている。マウスの胚盤胞期では、外側の栄養膜細胞が栄養膜幹細胞(以後TS細胞)の源となり胎盤に限局して分化するが、内部細胞塊細胞は、胎児の全ての細胞に貢献するエピブラスト細胞(胚性幹細胞(ES細胞)の源でもある)と、卵黄嚢などの胚体外組織に貢献する原始内胚葉細胞から構成され、胎盤系列には貢献しないことが分かっている(Rossant, 2016)。また、霊長類において全能性を有する細胞がどの段階まで維持されているのか示す研究もない。一方、霊長類においても同様に胚盤胞の栄養膜細胞から胎盤組織が発生し、内部細胞塊から胎児組織が発生すると推測されているものの、技術的困難さからこれまで実験的検証がなされていなかった。非ヒト霊長類に属するカニクイザルの胎盤の発生起源を明らかにする過程で、我々はヒト栄養膜幹(TS)細胞に相当する幹細胞をカニクイザル胎盤および胚盤胞から単離することに成功した。さらに胚盤胞のどの部分からTS細胞が出現するのか検討したところ、内部細胞塊から効率よくTS細胞が出現することが判明した。これらの実験は試験管内における分化ポテンシャルを見ているに過ぎないものの、カニクイザルの内部細胞塊にはTS細胞に分化可能な幹細胞が含まれていることが分かった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

計画通り、我々はヒト栄養膜幹(TS)細胞に相当する 幹細胞をカニクイザル胎盤および胚盤胞から単離することに成功した。さらに胚盤胞のどの部分からTS細胞が出現するのか 検討したところ、内部細胞塊から効率よくTS細胞が出現することが判明したことから、カニクイザルの内部細胞塊にはTS細胞に分化可能な幹細 胞が含まれていることが分かった。今後も計画に沿って推進したい。

今後の研究の推進方策

基本的に計画通り推進している。カニクイザル胚盤胞を仮親へ移植し、解剖する実験を進めることで、個体内における貢献を証明する実験を実施する予定である。

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公開日: 2021-12-27  

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