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2020 年度 実績報告書

小型魚類イメージングを用いた全能性保証システムの解析

公募研究

研究領域全能性プログラム:デコーディングからデザインへ
研究課題/領域番号 20H05365
研究機関大阪大学

研究代表者

石谷 太  大阪大学, 微生物病研究所, 教授 (40448428)

研究期間 (年度) 2020-10-30 – 2022-03-31
キーワード全能性保証システム / 不良細胞排除機構 / 小型魚類 / イメージング
研究実績の概要

我々は本研究の開始以前に、ゼブラフィッシュを使ったイメージング解析により、全能性保証に関わる新たな分子システムを発見した。具体的には、正常な野生型の初期胚において全能性が低下した不良細胞が頻繁に生じることと、初期胚が不良細胞の出現を感知し、細胞死を誘導することで胚細胞の全能性を保証することを明らかにした。しかし、この全能性保証システムは発見されたばかりであり、その詳細はほとんど明らかにされていない。そこで本研究では、小型魚類イメージング技術を駆使して全能性が揺らいだ不良細胞を感知・除去するシステムの分子基盤の解明を目指した。
まず、これまでにゼブラフィッシュ胚がWntシグナル異常細胞やMyc発現異常細胞の出現を感知してこれらを排除することを発見していたが、新たにDNAダメージ細胞も感知・排除することを発見した。また、胚に出現したDNAダメージ細胞の一部がWntシグナル異常細胞の感知・排除機構を利用して排除されていることも発見した(投稿準備中)。さらに、不良細胞の感知・排除機構を包括的に解析するために、不良細胞と隣接正常細胞をそれぞれにオミクス解析する系のセットアップを進めた。しかし、当初の想定に反し、オミクス解析用のサンプルを調整する方法の準備に手間取り、その結果、当初計画よりやや研究の進捗が遅れた。
また、国内外の医学研究者と連携して、de novo変異によるヒト先天性疾患のメカニズムをゼブラフィッシュモデルと生化学を駆使して明らかにした。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本研究では、不良細胞のオミクス解析が必要であるが、当初の想定に反し、オミクス解析に使用する実験動物の質の良い卵の作製がうまくいかず、その結果、オミクス解析のサンプル回収の条件設定に時間を要することが判明した。

今後の研究の推進方策

研究遂行上、オミクス解析には純度が高く質の良いサンプルが必要であり、それを得るためには十分な条件検討が不可欠である。条件検討をしっかり行って研究を確実に進めたい。セットアップしたオミクス系を駆使して、不良細胞の感知・排除の未知のメカニズムを明らかにしていく。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2021 2020 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 2件) 備考 (1件)

  • [国際共同研究] University of Arkansas(米国)

    • 国名
      米国
    • 外国機関名
      University of Arkansas
  • [雑誌論文] Biallelic CDK9 variants as a cause of a new multiple-malformation syndrome with retinal dystrophy mimicking the CHARGE syndrome2021

    • 著者名/発表者名
      Nishina S, Hosono K, Ishitani S, Kosaki K, Yokoi T, Yoshida T, Tomita K, Fukami M, Saitsu H, Ogata T, Ishitani T, Hotta Y, Azuma N
    • 雑誌名

      Journal of Human Genetics

      巻: 66 ページ: 1021~1027

    • DOI

      10.1038/s10038-021-00909-x

    • 査読あり
  • [雑誌論文] CDK19-related disorder results from both loss-of-function and gain-of-function de novo missense variants2021

    • 著者名/発表者名
      Zarate YA, Uehara T, Abe K, Oginuma M, Harako S, Ishitani S, Ishitani T, et al.
    • 雑誌名

      Genetics in Medicine

      巻: 23 ページ: 1050~1057

    • DOI

      10.1038/s41436-020-01091-9

    • 査読あり / 国際共著
  • [雑誌論文] Exosc2 deficiency leads to developmental disorders by causing a nucleotide pool imbalance in zebrafish2020

    • 著者名/発表者名
      Yatsuka Hiroyuki、Hada Kazumasa、Shiraishi Hiroshi、Umeda Ryohei、Morisaki Ikuko、Urushibata Hirotaro、Shimizu Nobuyuki、Sebastian Wulan Apridita、Hikida Takatoshi、Ishitani Tohru、Hanada Reiko、Shimada Tatsuo、Kimoto Kenichi、Kubota Toshiaki、Hanada Toshikatsu
    • 雑誌名

      Biochemical and Biophysical Research Communications

      巻: 533 ページ: 1470~1476

    • DOI

      10.1016/j.bbrc.2020.10.044

  • [学会発表] 魚が切り拓くヒト疾患・老化研究2021

    • 著者名/発表者名
      石谷 太
    • 学会等名
      日本循環器学会 meet the expert
    • 招待講演
  • [学会発表] 細胞競合によるエラー修復は脊椎動物の発生と組織恒常性を支える2020

    • 著者名/発表者名
      石谷 太
    • 学会等名
      日本分子生物学会年会シンポジウム
    • 招待講演
  • [備考] 石谷研究室HP

    • URL

      https://ishitani-lab.biken.osaka-u.ac.jp/

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公開日: 2022-12-28  

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