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2020 年度 実績報告書

全能性をもたらす卵賦活化による母性mRNA翻訳調節機構の解析

公募研究

研究領域全能性プログラム:デコーディングからデザインへ
研究課題/領域番号 20H05367
研究機関大阪大学

研究代表者

原 昌稔  大阪大学, 生命機能研究科, 助教 (30565099)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2022-03-31
キーワード卵賦活化 / 母性mRNA / 翻訳調節
研究実績の概要

ショウジョウバエの卵賦活化における母性mRNA翻訳調節に、PNGキナーゼの活性が必須である。しかしながら、PNGが、卵賦活化シグナルの下流で、どのように母性mRNAの翻訳を調節するかについての詳細は、残された課題である。そこで、本研究では、PNGの新たな基質および、PNGにより直接翻訳調節される母性mRNAの探索し、それらの解析を行う。そのために、PNGの活性制御因子の一つであるGNUに着目する。GNUはPNGに直接結合することで、PNGを活性化する。最近、GNUが、卵内でRNP顆粒様な細胞質顆粒 (GNU顆粒) に局在することが明らかとなった。そこで、GNU顆粒にPNGの基質および標的mRNAがあると考えそれらを同定することにした。
まず、GNU結合タンパク質を生化学的に同定した。さらに、同定されたタンパク質が、成熟卵内で顆粒状の局在を示しGNUと共局在すること、また、GNU顆粒形成にそのタンパク質が必要であることを明らかにした。次に、リコンビナントタンパク質を用いてin vitroで解析した結果、GNUのC末領域にあるSAMドメインがそのタンパク質との結合に必須であった。この結果と一致して、GNU SAMドメイン欠損変異体は、卵内で顆粒状の局在を示さなかった。また、in vitroの解析から、同定されたタンパク質が、PNGキナーゼの基質になることも見出している。
今回同定されたタンパク質は、以前に同定したPNGの基質であるTralとRNP顆粒を形成することが知られている。また、卵賦活化刺激によりPNGとGNUが結合することが明らかとなっている。これらと、今回の結果とあわせると、GNUは、卵賦活化時に、PNGと結合することで、PNGを活性化するだけでなく、自身が局在するRNAP顆粒にPNGを呼び込み、PNGの基質にターゲッティングする足場としても重要な役割を果たすと言える。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度は、GNU顆粒局在タンパク質とmRNAを共に同定する予定だったが、タンパク質のみの同定になった。しかしながら、そのタンパク質の機能解析が、当初に予定していた以上に進展したため。

今後の研究の推進方策

GNU顆粒に局在するmRANを同定し、その局在を確認する。そのmRNAが、卵賦活化シグナルの下流で、PNGキナーゼ活性に依存して翻訳調節されるかを明らかにする。今回同定されたGNU顆粒タンパク質は、RNA結合タンパク質なので、その結合mRNAについても同時に検討する。また同定されたGNU顆粒タンパク質のPNGキナーゼによるリン酸化の意義の解析も行う。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 国際共同研究 (1件)

  • [国際共同研究] Whitehead Institute(米国)

    • 国名
      米国
    • 外国機関名
      Whitehead Institute

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公開日: 2021-12-27  

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