• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2020 年度 実績報告書

哺乳類の正常発生を支える非対称性DNAメチル化維持機構の解明

公募研究

研究領域多様かつ堅牢な細胞形質を支える非ゲノム情報複製機構
研究課題/領域番号 20H05379
研究機関筑波大学

研究代表者

松崎 仁美  筑波大学, 生命環境系, 助教 (50436242)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2022-03-31
キーワードDNAメチル化 / エピジェネティクス / ゲノム刷り込み
研究実績の概要

哺乳類のゲノム刷り込み現象では、親の生殖細胞に由来するエピゲノム情報が子の遺伝子発現を調節する。本研究は、刷り込み遺伝子座において、親から受け継がれたエピゲノム情報が受精後に維持される分子メカニズムを解明することを目的とする。
通常の遺伝子座では、精子や卵子に由来するエピゲノムは、受精直後のリプログラミングの過程で消去されるため、子では両親由来の遺伝子の機能に差を生じない。これに対して、ゲノム刷り込み遺伝子座では、エピゲノムの差(アリル特異的DNAメチル化修飾)が維持され続け、刷り込み遺伝子発現を引き起こす。我々は先行研究において、Igf2/H19刷り込み遺伝子座を解析した結果、さらに上位階層の(DNAメチル化以外の)エピゲノム修飾が生殖細胞から受け継がれることが、受精後初期胚におけるDNAメチル化パターンの維持に必要であることを見出した。
同修飾の実体とその確立・維持を担う分子をengineered DNA-binding molecule-mediated chromatin immunoprecipitation(enChIP)法によって探索するために、2020年度は、FLAG-HAタグ付加 dCas9タンパク質と、Igf2/H19遺伝子座の刷り込み制御配列を認識するガイドRNAの発現ユニットを、ROSA26 locusに挿入したマウスES 細胞株を樹立した。さらに、同ES細胞を用いてノックインマウスを作製した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

新型コロナウイルス感染を防止するための細心の注意を払いながら研究を実施したが、当初計画内容を達成できた。

今後の研究の推進方策

引き続き感染拡大防止対策を取りながら、作製した遺伝子改変マウスを用いて、刷り込み制御配列における生殖細胞でのエピゲノム修飾の解析と、同配列に結合する因子の探索を進める。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Transient establishment of imprinted DNA methylation of transgenic human IC1 sequence in mouse during the preimplantation period2020

    • 著者名/発表者名
      Hirakawa, K., Matsuzaki, H., and Tanimoto, K.
    • 雑誌名

      Human Molecular Genetics

      巻: 29 ページ: 3646-3661

    • DOI

      10.1093/hmg/ddaa253

    • 査読あり
  • [学会発表] マウスH19-ICR配列のin vivo反転によるインプリント遺伝子発現機構の解明2020

    • 著者名/発表者名
      松崎 仁美、宮嶋 優、谷本 啓司
    • 学会等名
      第43回日本分子生物学会年会
  • [学会発表] ヒトH19-ICR YACトランスジェニック・マウスを用いた受精後刷り込みメチル化活性の検証2020

    • 著者名/発表者名
      松崎 仁美、平川勝彦、谷本 啓司
    • 学会等名
      第93回日本生化学会大会

URL: 

公開日: 2023-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi