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2021 年度 実績報告書

非ゲノム情報による複製開始点制御の解明

公募研究

研究領域多様かつ堅牢な細胞形質を支える非ゲノム情報複製機構
研究課題/領域番号 20H05396
研究機関国立遺伝学研究所

研究代表者

鐘巻 将人  国立遺伝学研究所, 遺伝メカニズム研究系, 教授 (20444507)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2022-03-31
キーワードDNA複製 / 複製開始領域 / デグロン
研究実績の概要

DNA複製と非ゲノム情報複製は密接に関連している。これまでDNA複製の研究は出芽酵母が真核細胞のモデルとして研究が進展してきたが、出芽酵母においてはDNA配列が複製開始領域を規定している。一方で、哺乳動物細胞を含む多くの生物では、複製開始領域にコンセンサス配列は見当たらず、染色体構造や非ゲノム情報が複製開始領域を規定しているようである。しかしながら、現在までヒト細胞において高精度の複製開始領域は同定できていない。
複製開始領域および複製フォークの向きを同定するには、ラギング鎖上に生じる岡崎フラグメントを回収して、シーケンスすることにより可能である。この目的のために、ヒトHCT116細胞の岡崎フラグメント連結に関与するDNAリガーゼLIG1とLIG3を改良型オーキシンデグロン法AID2で分解除去可能な細胞を作成した。この細胞においては、分解誘導リガンドを添加することにより、細胞内のLIG1およびLIG3を枯渇させ、細胞内に岡崎フラグメントを蓄積させることができる。この細胞を非同調および同調培養を組み合わせて、S期において2時間毎の全ゲノムにおける複製開始領域および複製フォークの移動を検出することに成功した。
その結果、S期初期におよそ50kbp以下の解像度で複製開始領域を同定し、これらの多くは転写されている遺伝子のプロモーターに見つかった。S期中期から後期にかけては、明確な複製開始領域は減っていき、次第にヘテロクロマチン領域が複製された。その際には、複製フォークはユークロマチン領域から進行していることが観察された。しかしながら、複製フォークのスピードからヘテロクロマチン領域においても、不明確な複製開始が散発して、複製を遂行していることが予想された。現在、転写と複製開始領域の関連性に関して、どのようなメカニズムで複製開始領域が規定されるのか、詳細な解析を継続している。

現在までの達成度 (段落)

令和3年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和3年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (11件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 1件、 招待講演 4件) 図書 (1件) 産業財産権 (1件)

  • [雑誌論文] Ligand-induced degrons for studying nuclear functions2022

    • 著者名/発表者名
      Masato T Kanemaki
    • 雑誌名

      Current Opinion in Cell Biology

      巻: 72 ページ: 29-36

    • DOI

      10.1016/j.ceb.2021.12.006

    • 査読あり
  • [雑誌論文] The auxin-inducible degron 2 (AID2) system enables controlled protein knockdown during embryogenesis and development in Caenorhabditis elegans2022

    • 著者名/発表者名
      Takefumi Negishi, Saho Kitagawa, Natsumi Horii, Yuka Tanaka, Nami Haruta, Asako Sugimoto, Hitoshi Sawa, Ken-Ichiro Hayashi, Masahiko Harata, Masato T Kanemaki
    • 雑誌名

      Genetics

      巻: 220 ページ: iyab218

    • DOI

      10.1093/genetics/iyab218

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Targeted Protein Depletion Using the Auxin-Inducible Degron 2 (AID2) System2021

    • 著者名/発表者名
      Yuichiro Saito, Masato T Kanemaki
    • 雑誌名

      Current Protocols

      巻: 8 ページ: e219

    • DOI

      10.1002/cpz1.219

    • 査読あり
  • [学会発表] 特異的タンパク質分解法AID2を利用してゲノムDNAと非ゲノム情報複製の関係を探る2021

    • 著者名/発表者名
      鐘巻将人
    • 学会等名
      日本遺伝学会第93回大会
    • 招待講演
  • [学会発表] 植物の力を利用したマウスにおける迅速なタンパク質分解2021

    • 著者名/発表者名
      鐘巻将人
    • 学会等名
      第80回日本癌学会学術総会
    • 招待講演
  • [学会発表] 改良型オーキシンデグロンAID2法を利用してヒト細胞DNA複製の謎を探る2021

    • 著者名/発表者名
      鐘巻将人
    • 学会等名
      3Rワークショプ
  • [学会発表] ユビキチン・プロテアソーム系を利用した、細胞および動物個体における迅速タンパク質発現制御2021

    • 著者名/発表者名
      鐘巻将人
    • 学会等名
      第94回日本生化学会大会
    • 招待講演
  • [学会発表] 植物が持つ能力を生かした標的タンパク質ノックダウン2021

    • 著者名/発表者名
      鐘巻将人
    • 学会等名
      第44回日本分子生物学会年会
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] MCMBPはMCM2-7ヘテロ六量体形成を促進することにより、 ヒト細胞の安定的な染色体DNA複製に寄与する2021

    • 著者名/発表者名
      鐘巻将人
    • 学会等名
      第39回染色体ワークショップ・第19回核ダイナミクス研究会
  • [図書] 実験医学12月号 クローズアップ実験法2021

    • 著者名/発表者名
      斎藤裕一朗、鐘巻将人
    • 総ページ数
      7
    • 出版者
      羊土社
    • ISBN
      978-4-7581-2550-5
  • [産業財産権] オーキシンデグロンシステムのキット、及びその使用2021

    • 発明者名
      鐘巻将人、林謙一郎、根岸剛文
    • 権利者名
      大学共同利用機関法人情報・システム研究機構
    • 産業財産権種類
      特許
    • 産業財産権番号
      特願2021-135637

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公開日: 2022-12-28  

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