公募研究
典型的な非B型DNA構造である、グアニン4重鎖(G4)構造は、生物種を問わず普遍的に存在し、その生物学的機能も次々と報告されている。G4は、配列ではなく、形成する核酸形態が重要な役割を果たす。又、G4の形成と崩壊は、生体内でダイナミックに変動している可能性があり、これまで見逃されている重要な非ゲノム情報である。数年前にヒトを含む高等生物の複製起点の近傍に高い頻度でG4形成配列が存在する事が明らかとなり、G4の複製開始における役割が示唆された。私たちは、G4がDNA複製開始のシグナルとして、あるいは、複製を抑制するクロマチン形成の拠点として機能することを発見した。本研究では、非ゲノム情報としてのG4の細胞内でのダイナミックな形成が、DNA複製開始をどのように制御するか、またその存在がゲノムの安定な維持継承にどのような影響を及ぼすかを解析し、その分子機構と生物学的意義の解明を目指す。本年度、転写プロモーターとG-rich配列を連結し、転写に依存して自律的に複製できるユニットを大腸菌細胞内で合成生物学的に樹立した。この複製システムを酵母と動物細胞に導入し、自律的に複製するかどうかを現在検討している。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2021 その他
すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 1件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 6件、 招待講演 2件) 備考 (1件)
Journal of Biological Chemistry
巻: 297 ページ: 101367~101367
10.1016/j.jbc.2021.101367
Journal of Medicinal Chemistry
巻: 64 ページ: 14153~14164
10.1021/acs.jmedchem.1c01319
PLOS Biology
巻: 19 ページ: e3000939
10.1371/journal.pbio.3000939
Scientific Reports
巻: 11 ページ: 4538
10.1038/s41598-021-83857-y
https://www.igakuken.or.jp/genome/