公募研究
オオムギにおいて葉間期が短縮する3つの変異体、mnd4、mnd1、mnd8の原因遺伝子を同定し、イネとオオムギでは、葉間期の制御する主働遺伝子が異なることを明らかにした。イネとオオムギの葉間期制御の共通性と特異性についての知見を得るため、イネとオオムギのそれぞれの遺伝子についてin situ hybridizationを行い、SAM付近における遺伝子の発現解析を行った。その結果、これらの遺伝子はいずれも主に若い葉原基の基部周辺で発現していたが、遺伝子発現パターンは似ていたが異なる点も認められた。MND遺伝子間の相互関係を明らかにするため、3つの変異体を用いて二重変異体の表現型解析を行った。二重変異体の植物体はいずれも単独変異体よりも強い表現型を示し、MND1とMND8、MND4とMND8 はそれぞれ独立に葉の枚数と伸長の制御に関わっていると考えられた。また、葉間期と葉の成長との関係を詳細に解析したところ、異なる遺伝背景間では両者の形質に強い相関が見られるものの、同じ遺伝背景の個体間では必ずしも相関が見られないことを明らかにした。MND遺伝子のイネにおけるオルソログとその機能の関係を考察した。CRISPR/Cas9によるMND1とMND8のイネホモログの遺伝子破壊を行ったところ、いずれにおいても葉間期の短縮が認められたが、イネのPLA変異体に比べてその効果は非常に小さかった。これらのことからイネとオオムギにおいて葉間期に対する機能は遺伝子間で保存されているものの、その貢献度は両者で大きく異なることが明らかとなった。以上の知見を論文としてまとめた。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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PLoS Genetics
巻: 17 ページ: e1009292
10.1371/journal.pgen.1009292