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2021 年度 実績報告書

時計に依存する発生制御ネットワークアトラス

公募研究

研究領域細胞システムの自律周期とその変調が駆動する植物の発生
研究課題/領域番号 20H05411
研究機関名古屋大学

研究代表者

中道 範人  名古屋大学, 生命農学研究科, 教授 (90513440)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2022-03-31
キーワード植物 / 概日時計 / 周期 / 変調 / 化合物 / 花成
研究実績の概要

2020年度の時計周期変調化合物を利用した研究で示唆された、花成ホルモンを介さない時計による花芽形成制御の可能性を別の研究手法によって検討した。花成ホルモン遺伝子の変異体であるft tsf二重変異体に、ある時計遺伝子を過剰発現させ、花芽形成への影響を解析することを目的とした。ft tsf二重変異体は、超遅咲きであり、この株に対して形質転換をすること、またその次世代を取ることだけで10ヶ月を要した。形質転換後の孫世代(T2世代)での予備的な結果ではあるが、この時計遺伝子の過剰発現は、ft tsf二重変異体においても、花芽形成遺伝子を部分的に誘導することができていた。このことから、花成ホルモンを介さない時計による花芽形成制御の存在がより確かなものとなった。一方で、この時計遺伝子の過剰発現はft tsf二重変異体の中では、花成時期の早期化を引き起こさないことも分かったため、時計・光周期による花成ホルモンの誘導が、花成時期決定に対して必要不可欠であることも判明した。
時計による花芽形成のメカニズムを探るため、時計転写因子による花芽形成遺伝子の直接的制御の可能性を検討した。そのため、機能的な時計転写因子を発現する株を作成し、その株を用いてクロマチン免疫沈降を実施した。これまでテストしたいずれの時計転写因子も、花芽形成遺伝子の想定プロモーター領域には結合していない。
主要穀物において、時計遺伝子の変異が花芽形成時期の調節を介して栽培地域の拡大に寄与してきたことが知られている。これに関する最新の知見をまとめるとともに、時計遺伝子の変異の様式をとりまとめ、将来的なゲノム編集への指針を提言した(Maeda and Nakamichi, Plant Physiology, 2022)。

現在までの達成度 (段落)

令和3年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和3年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2022 2021 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)

  • [国際共同研究] University of Southern California(米国)

    • 国名
      米国
    • 外国機関名
      University of Southern California
  • [雑誌論文] Phosphorylation of RNA Polymerase II by CDKC;2 Maintains the Arabidopsis Circadian Clock Period2022

    • 著者名/発表者名
      Uehara Takahiro N、Nonoyama Takashi、Taki Kyomi、Kuwata Keiko、Sato Ayato、Fujimoto Kazuhiro J、Hirota Tsuyoshi、Matsuo Hiromi、Maeda Akari E、Ono Azusa、Takahara Tomoaki T、Tsutsui Hiroki、Suzuki Takamasa、Yanai Takeshi、Kay Steve A、Itami Kenichiro、Kinoshita Toshinori、Yamaguchi Junichiro、Nakamichi Norihito
    • 雑誌名

      Plant and Cell Physiology

      巻: 63 ページ: 450-462

    • DOI

      10.1093/pcp/pcac011

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] Plant clock modifications for adapting flowering time to local environments2022

    • 著者名/発表者名
      Maeda Akari E、Nakamichi Norihito
    • 雑誌名

      Plant Physiology

      巻: in press ページ: in press

    • DOI

      10.1093/plphys/kiac107

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 時計長周期化化合物と標的タンパクの結合モデル2022

    • 著者名/発表者名
      前田明里、松尾宏美、藤本和宏、木下俊則、山口潤一郎、中道範人
    • 学会等名
      第63回日本植物生理学会年会
  • [学会発表] 植物概日時計の温度補償性に関わるタンパク質の量的制御メカニズムの解析2022

    • 著者名/発表者名
      前田明里、松尾宏美、木下俊則、中道範人
    • 学会等名
      第63回日本植物生理学会年会
  • [学会発表] Small-molecule modulators of the plant clock2021

    • 著者名/発表者名
      Norihito Nakamichi
    • 学会等名
      5th Asia Forum on Chronobiology
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] シロイヌナズナの概日時計における周期の温度補償性に関わるタンパク質の量的制御2021

    • 著者名/発表者名
      前田明里、松尾宏美、木下俊則、中道範人
    • 学会等名
      第28回日本時間生物学会学術大会

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公開日: 2022-12-28  

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