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2021 年度 実績報告書

再分化をもたらす変調を制御する遺伝子プライミングメカニズムの解明

公募研究

研究領域細胞システムの自律周期とその変調が駆動する植物の発生
研究課題/領域番号 20H05425
研究機関東京理科大学

研究代表者

坂本 卓也  東京理科大学, 理工学部応用生物科学科, 講師 (40637691)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2022-03-31
キーワード再分化 / 遺伝子プライミング / クロマチン高次構造 / ヒストン修飾酵素
研究実績の概要

植物の再分化過程では、一定周期で増殖を続ける未分化状態の細胞群(カルス)の一部が変調して運命転換する。この細胞増殖周期から再分化過程への変調において、変調準備システムと考えられるプライミング現象をもたらすクロマチン構造制御機構の解明を目指した。2021年度の研究を通じて以下の成果を得た。
1) ヒストン脱メチル化酵素LDL3によるカルス培養期間中のヒストンH3K4me2の脱メチル化がプライミング現象に必要であることが分かっている。カルスの中でも再生現象に直接的に関わるLDL3を発現する細胞に着目したクロマチン構造解析を行うため、改良INTACT法によるLDL3発現細胞核を単離する系の確立を進めた。
2) シュート再生に関わる新規因子として、H3K4meをターゲットとするヒストンメチル化酵素ATX3/4/5を同定した。atx3/4/5変異体の解析から、カルス培養期間中にATX3/4/5によってH3K4me2レベルの上昇を受けることが、シュート誘導に応答した遺伝子発現上昇に(プライミング)関わる可能性が見出された。また、ATX3/4/5がターゲットとする遺伝子候補の中に、再生に重要な役割を果たす転写因子が含まれていることを明らかにした。
3) シュート再生に関わる新規因子として、ヒストン脱アセチル化酵素HDA19を同定した。hda19変異体の解析から、HDA19はプライミングに関わる可能性は低いと考えられた。一方で、シュート誘導時のカルスにおいて、HDA19によるヒストンの脱アセチル化を介した転写抑制作用を通じて、シュート再生に必須なESR1やCUC2などの転写因子の発現レベルや部位が適切に調節されることが、シュート再生をもたらすために重要であることを示した。

現在までの達成度 (段落)

令和3年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和3年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (14件)

すべて 2022 2021 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (12件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] A live imaging system to analyze spatiotemporal dynamics of RNA polymerase II modification in Arabidopsis thaliana2021

    • 著者名/発表者名
      M. Shibuta, T. Sakamoto, T. Yamaoka, M. Yoshikawa, S. Kasamatsu, N. Yagi, S. Fujimoto, T. Suzuki, S. Uchino, Y. Sato. H. Kimura, and S. Matsunaga
    • 雑誌名

      Communications Biology

      巻: 4 ページ: 580

    • DOI

      10.1038/s42003-021-02106-0

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] カルスを介したシュート再生系にLDL2が与える影響の解析2022

    • 著者名/発表者名
      堀江綾香、坂本卓也、Diaz Mariana、鈴木孝柾、松永幸大
    • 学会等名
      第63回日本植物生理学会年会
  • [学会発表] カルスの再生能獲得に関与するエピジェネティック制御因子の機能解析2021

    • 著者名/発表者名
      三浦 理奈、坂本 卓也、澁田 未央、大矢 恵代、稲垣 宗一、鈴木 穣、角谷 徹仁、松永 幸大
    • 学会等名
      日本植物形態学会第33回大会
  • [学会発表] シロイヌナズナのカルスを介したシュート再生系にLDL2が与える影響の解析2021

    • 著者名/発表者名
      堀江綾香、坂本卓也、Diaz Mariana、鈴木孝柾、松永幸大
    • 学会等名
      日本植物形態学会第33回大会
  • [学会発表] ガンマ線照射によるシュート再生能力向上のメカニズム解析2021

    • 著者名/発表者名
      東海林朋佳、坂本勇貴、鈴木孝征、乾弥生、坂本卓也、松永幸大
    • 学会等名
      日本植物形態学会第33回大会
  • [学会発表] RNAポリメラーゼII-CTD修飾の核内分布の観察2021

    • 著者名/発表者名
      澁田未央、坂本卓也、松永幸大
    • 学会等名
      日本植物形態学会第33回大会
  • [学会発表] RNA ポリメラーゼII-CTD修飾の核内分布から転写活性の高い核内領域を読み解く2021

    • 著者名/発表者名
      澁田未央、坂本卓也、松永幸大
    • 学会等名
      日本植物学会第85回大会
  • [学会発表] カルスの再生能の獲得に関与するエピジェネティック制御因子の機能解析2021

    • 著者名/発表者名
      三浦 理奈、坂本 卓也、澁田 未央、大矢 恵代、稲垣 宗一、鈴木 穣、角谷 徹仁、松永 幸大
    • 学会等名
      日本植物学会第85回大会
  • [学会発表] シロイヌナズナにおける、LDL2がカルスを介した再生に与える影響の解析2021

    • 著者名/発表者名
      堀江綾香、坂本卓也、Diaz Mariana、鈴木孝柾、松永幸大
    • 学会等名
      日本植物学会第85回大会
  • [学会発表] γ線照射によるシュート再生能力向上のメカニズム解析2021

    • 著者名/発表者名
      東海林朋佳、坂本勇貴、鈴木孝征、乾弥生、坂本卓也、松永幸大
    • 学会等名
      日本植物学会第85回大会
  • [学会発表] ガンマ線照射がもたらすシュート再生能力向上のメカニズム解析2021

    • 著者名/発表者名
      東海林朋佳、坂本勇貴、鈴木孝征、坂本卓也、松永幸大
    • 学会等名
      第44回日本分子生物学会年会
  • [学会発表] カルスの再生能力の獲得に関与するエピジェネティック制御因子の機能解析2021

    • 著者名/発表者名
      三浦 理奈、坂本 卓也、澁田 未央、大矢 恵代、稲垣 宗一、鈴木 穣、角谷 徹仁、松永 幸大
    • 学会等名
      第44回日本分子生物学会年会
  • [学会発表] ヒストン修飾および PolII-CTD 修飾のイメージングと画像解析から時空間的転写ステータスを読み解 く2021

    • 著者名/発表者名
      澁田未央、松岡恵、坂本卓也、松永幸大
    • 学会等名
      東北植物学会第 11 回大会
  • [備考] 細胞内抗体プローブを用いて遺伝子の転写が活性化している細胞を生体内で特定することに成功

    • URL

      https://www.tus.ac.jp/today/archive/20210518_0942.html

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公開日: 2022-12-28  

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