研究領域 | 細胞システムの自律周期とその変調が駆動する植物の発生 |
研究課題/領域番号 |
20H05428
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
陳 延偉 立命館大学, 情報理工学部, 教授 (60236841)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 分裂細胞検出 / 非分裂細胞セグメンテーション / 深層学習 / 時間変化 / サイズ変化に頑健 |
研究実績の概要 |
バイオイメージング技術の飛躍的な進展により,大量なバイオイメージが得られるようになってきた. バイオイメージは3次元空間情報に加え, 動的時間情報ももつ.このような多次元画像から有効な特徴を自動的に抽出し,解析を行うことは,バイオイメージの表現型解析において重要な課題である.本研究では,深層学習を用いた4次元動態顕微鏡画像における分裂細胞の自動検出法の開発を目的とし,以下の研究成果が得られた. (1)時間変化を考慮に入れた細胞サイズ変化に頑健な深層学習手法を開発した.Recurrent Full-Scale Deep Layer Aggregation (RDLA++)というネットワークを提案し,近年注目されているCenterNetの検出部と融合することにより,高精度な動態顕微鏡画像における分裂細胞検出法を提案した.既存法に比べ,高い検出精度を実現した.その成果はBMC Bioinformatics誌(IF 3.242)に掲載された. (2)非分裂細胞のマスクラベルと分裂細胞の領域を塗りつぶしたラベルをラベル画像とし、深層学習セマンティックセグメンテーションネットワーク(U-Net)を用いて、画素ごとに3クラス分類することによって、非分裂細胞のセグメンテーションと分裂細胞の検出を同時に実現した。その成果は令和3年電気関係学会関西連合大会で発表した。 (3) 物体形状を強調する三次元深層学習ネットワーク3D Graph-S2Netを提案し、三次元ボリューム画像を精度よく分割できるようになった。その成果は国際学会MICCAI2021で発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
領域内の植物研究者との共同研究ができるようになり、提案手法の有効性は実画像を用いて検証できるようになった。
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今後の研究の推進方策 |
これまでは、分裂細胞の検出法を開発してきた。今後は検出された分裂細胞の追跡法を開発する。現在遺伝的アルゴリズムを用いたフレーム間の細胞の対応づけ法を開発している。その有効性を今後検証していく。また、精度を向上させるために、学習と検証するためのデータベースを拡張していく予定である。
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