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2020 年度 実績報告書

シリアルフェムト秒結晶構造解析による銅含有アミン酸化酵素の触媒機構の解明

公募研究

研究領域高速分子動画法によるタンパク質非平衡状態構造解析と分子制御への応用
研究課題/領域番号 20H05448
研究機関大阪医科大学

研究代表者

村川 武志  大阪医科大学, 医学部, 助教 (90445990)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2022-03-31
キーワードシリアルフェムト秒結晶構造解析 / トパキノン / アミン酸化酵素
研究実績の概要

本研究では土壌細菌由来の銅含有アミン酸化酵素(AGAO)について,微結晶溶液と基質溶液の二液混合時分割シリアルフェムト秒結晶構造解析(SFX)を行い,反応時間軸に沿った様々な構造情報を得る.得られた知見により,これまで未解明であった,触媒過程の各段階における活性部位環境の最適化,およびそれに基づく反応促進機構の詳細を明らかにすることを目的とする.
開始年度である本年度は,主に微結晶作成条件の検討と予備的なSFX測定を行った.試料であるAGAOは,大腸菌を宿主として発現し精製することにより得た.微結晶調製については,ミクロシーディング法とバッチ法を組み合わせることにより,本酵素微結晶の大量調製に成功した.得られた微結晶を用いてSACLAにてグリースマトリックス法を用いたテスト測定を行い,良好な反射を得た.上記結果により,本研究はSACLAの正式な実施課題として採択され,SACLA BL2にてリキットジェット法による微結晶液と基質溶液の二液混合SFX測定を実施した.
SFX測定について,本年度は,酵素のみ(基質無し),基質との混合後0.5秒,および1.0秒の3セットのデータを取得した.得られたデータについてCrystfelを用いて指数付けおよび積分を行った.各測定条件とも25000 - 30000枚程度のイメージファイルに対しindexを付けることに成功した.上記の積分したデータを用いて,これまでに放射光を用いて決定した構造(3WA2)を用いて分子置換及び精密化を行い,補酵素TPQ及び,生成物であるフェニルアセトアルデヒドについてオミットマップを描き,反応中間体の同定を行ったところ,反応時間軸に沿った様々な構造変化を確認することができた.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度は研究初年度であり,試料調製条件と測定条件を決定すること,得られた条件を用いて予備的測定を行うことが目標であった.
本研究を行う上では同程度の大きさの微結晶を大量に必要とするため,結晶化条件の見直しをおこなった.これらは比較的早い時点で成功したため,本年度後半は予備的な測定を行った.得られた結果は予備的なものであるが,結晶内で構造が大きく変化することが回折データから観察できた.

今後の研究の推進方策

令和二年度で反応の後半部分の構造変化を解析できたので,令和三年度ではさらに早い段階の測定を行う.測定効率を上げるため,シード量を増やすなどして,スケールアップをしても結晶のサイズを抑えること,あるいは結晶調製後に用いるフィルターを,今回用いた30μmよりも小さいものを用いることなどを検討する.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Unique protonation states of aspartate and topaquinone in the active site of copper amine oxidase2020

    • 著者名/発表者名
      Shoji Mitsuo、Murakawa Takeshi、Boero Mauro、Shigeta Yasuteru、Hayashi Hideyuki、Okajima Toshihide
    • 雑誌名

      RSC Advances

      巻: 10 ページ: 38631~38639

    • DOI

      10.1039/d0ra06365g

  • [学会発表] シリアルフェムト秒結晶構造解析による銅含有アミン酸化酵素の触媒機構の解明2020

    • 著者名/発表者名
      村川武志
    • 学会等名
      令和二年度 新学術領域研究「高速分子動画」シンポジウム
  • [学会発表] QM/MM法による銅アミン酸化酵素のプロトン化状態についての理論解析2020

    • 著者名/発表者名
      庄司光男、村川武志、重田育照、林秀行、岡島俊英
    • 学会等名
      第34回分子シミュレーション討論会

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公開日: 2021-12-27  

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